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「BTS株下落」から考えるエンタメビジネスの資金調達

 恐れていた事態が起きました。僕は韓国の株式市場について疎いので、中小企業やITベンチャー向けと言われているKOSDAQについての現状を全然知らないのですが(詳しい方いたら教えて下さい!)新興市場にIPOした株が急落することは珍しいことではありません。
 問題は、まさにこの記事にあるように、「BTS株大幅下落」と報じられてしまうことです。上場したのはBTSが所属しているビッグ・ヒット・エンターテインメントという芸能プロダクションで、当たり前ですが、BTSというグループそのものではありません。なのでこの見出しはミスリードなのですが、抗議したり訂正したりということにはならなさそうですね。
 恐れていた事態というのは、BTSの活動とは無関係のところで、アーティストとしてのブランドが毀損されてしまうことです。以前の記事で、エンタメビジネスと株式市場への相性は悪いのではないかという指摘をしたのには、そういう理由も含まれます。

 この僕の感覚は、アーティストイメージを大切にするという日本のマネージメント的な考え方で、彼らもファンもそんなことは気にしていないのかもしれません。話題になる分だけ全部得、というたくましい考え方もあり得ますね。
 なのでこの記事がBTSにとってのブランド毀損かどうかは一旦、脇においておくとして、やはり僕は音楽事務所が株式市場から資金調達して、クリエイティブやファンと無関係のところで時価総額が上下するという形に違和感は覚えます。特に新興プロダクションは特定のアーティストに依存する形(大きく伸びるのでバランスが崩れるのは当然)になりがちなので、余計に難しいです。収益のポートフォーリオが安定した老舗の大手プロダクションの場合は違った考え方が可能でしょうね。
 勢いのあるアーティストを抱える新進プロダクションであれば、急勾配に似合う資金調達、ブロックチェーンを使ったICOなどに挑戦して欲しいなと思います。(韓国国内は法的に無理らしいですね。日本でもまだICOは難しいですが)、評価経済をベースにして、応援心理と収益への期待が掛け算になるような形でのアーティストの資金調達とそういう「市場」は、それほど遠くない将来に必ず訪れると思います。
 韓国新興芸能事務所の挑戦を羨ましい気持ちで横目に見ながら、「次のこと」に取り組みたいなと改めて思いました。

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モチベーションあがります(^_-)