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映画「ハーフ・オブ・イット」を観て改めて感じるNetflixの文化的価値

 LGBTという言葉も一般的になりましたね。マイノリティの市民権を認める多様性があることが、基本的人権に基づく社会の発展のために必要だということは、あまり難しく考えずに「定義」みたいなことで良いと僕は思っています。とりあえず「マイノリティを受け入れるのがcoolだよ」と思いましょう。
 さて、監督がレズビアンであることをカミングアウトしていてそういう作品を創ってきたアリス・ウーなので、LGBTな映画という文脈で紹介、解説されることが多いようですが、これからご覧になる方は先入観なく、ニュートラルに青春コメディとして観ることをオススメします。登場人物のナイーブさやもどかしさなど、すごく普遍的なセンスだなって、僕は思いました。
 それにしても、こういう映画がNetflixで作られるようになると、ビジネスシステムとしてイノベイティブだけではなく、文化的な役割としても価値があるという評価が定着していきますね。僕は高校生の頃から、当時は「単館系」と言われていた(今はミニシアターって言うようになりましたね)ハリウッドの火薬大量系ではない映画が好きで、よく観てました。今後は『アメリ』も『ベルリン天使の詩』も『ニューシネマバラダイス』も、いわゆる単館系のヒット作品は、だぶんNetFlix(かそれに対抗した動きとしてのAmazon Prime)から出てくるのでしょう。世界中に少しずつ観たい人がいる種類の文化度が高い映画を、オンラインで観せていくというのは理にかなっていますよね。コロナ禍でアメリカの映画館が独占上映期間を3ヶ月から17日に短縮して、オンライン配信からの収益分配を得るという選択肢を取ったというニュースがありましたが、Netflixでの鑑賞が前提になると逆に、観たい作品をみんなで集まって映画館で観るという「映画版グルーポン」みたいなサービスも可能性あるなと思いました。僕にそんなことを考えさせる素晴らしい映画です。心がホンワカしつつ、奥の方にある琴線が突かれて、ちょっと泣けます。
 それにしても、アニメ『映像研には気をつけろ』とこの映画を俺に推薦するふくりゅうはさすが。"芸幅広い"です。コンシェルジュふくりゅうのリコメンドが無ければ気になっても見逃していたかもしれません。サンキュー。



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