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J-popの価値を「外国人目線」でとらえよう!インドネシアでマックの売上に貢献だってよ!

 非常に興味深い記事でした。インドネシアでマクドナルドの「CMソング」として、J-popライクな楽曲を日本語歌詞で作られ、話題になり、ハンバーガーへの好感度も上がり、売上111%以上アップしたというニュースです。
 「Nihon No Fureeba」(日本のフレーバー)というタイトルで、最後まで字幕含めて日本語で展開されているこの動画、「未翻訳の広告」と題され、本国の字幕もなしでリリースされているそうです。
 まずは、動画を観てください!

 どう感じましたか?
 この広告を手がけた「0Leo Burnett」社のRavi Shanker氏の「インドネシアでは日本のポップカルチャーが大人気で、みんな意味が分からなくてもJ-popソングを聴いたり歌ったりしている」
  という記事内のコメントからも、いわば確信犯的に、「日本ライク」なクリエイティブで押し切っていることがわかります。

 サウンド感、「Aメロ⇒Bメロ⇒サビ」という楽曲構成、間奏でのギターソロ、なにより日本語歌詞の響きが活かされたメロディと歌い回し、など僕ら日本人が聴きなれた楽曲になっていますよね?
 これが大手ハンバーガーチェーン店の売上を押し上げるような影響力が、インドネシアであるということなのです。不思議な感覚になりませんか?

 MVのような動画では、渋谷、原宿、浅草などの象徴的な景色が使用されています。そもそもアメリカ文化の象徴だったはずのマクドナルドのハンバーガーを「日本のフレーバー」と表現しているのが面白いですね。
 サビの歌詞は「柔らかいパン、パリパリの海苔、焼肉のたれ、本場の味、マクドナルド日本の味、ユニーク伝説のうまみ」です。インドネシアの消費者に「日本っぽい」ということが、ポジティブアピールになるということがよくわかる映像です。「マックのハンバーガーは日本の美味しさだよ」とアピールしているわけですから、日本ブランドのライセンス使用料ほしいですよね(笑)

 ちなみにSpotifyのインドネシアの再生回数上位はこちら。洋楽もK-popもなく、インドネシア語のポップスが上位を占めています。ポップソングはどの国も、過半は現地語のポップスであることが普通です。

 そんな中で、J-popをどうやって広めていくのか、このインドネシアマクドナルドのMV風CMの成功事例は、安易に真似するという意味ではありませんが、思考を深めるのには役に立つのではないでしょうか? 

 僕の経験の感覚ですが、ASEAN諸国は、日本の歌謡曲と同じ用な源流を感じさせるドメスティックポップスをもっているなと感じることが多いです。稲作文化圏とか関係しているかどうかわかりませんが、文化人類学/民族音楽的の現代版研究が出てきてほしいなと思っています。興味のある研究者、学生の方はご協力するのご連絡ください。

 インドネシアはASEANで最も人口が多く、経済成長が始まっている注目の国です。音楽好きの国民性、親日国など、重要な市場となる要素があります。10年以上前になりますが、Aiu Ratnaというインドネシア人ロックシンガーを日本人とのユニットでデビューさせようとプロデュースしていたことがあります。その流れで、日本語カバーの作品を出す機会があり、Spotifyにあったので紹介します。日本語も上手で、魅力的な声の持ち主です。子供が3人いますが、今も元気に音楽活動しています。

 彼女が音楽活動を始めた最初のバンドはGarasiで同名の映画の主役も努めています。インドネシア語でガレージという意味の、青春バンド映画です。インドネシアでは有名で、映画祭で賞も取っています。

 昨年12月にジャカルタのフェスに行き、感じることがたくさんありました。一言でまとめると「日本の音楽界にめちゃめちゃチャンスがある」ということになります。

 これからの音楽活動は、「デジタルとグローバル」が主戦場だということを改めて感じさせられニュースでした。
 感想や質問(もちろん異論反論も)などあれば遠慮なくどうぞ!


モチベーションあがります(^_-)