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甲子園の中止から一年!球児のプレーを見て感じたこと…

今春は選抜高校野球大会が開催された。“やっぱり甲子園はイイな”と、テレビの前で改めて実感した。同時に、昨年甲子園でプレーできなかった球児の「みんなと一緒にもっと野球がしたかった…」と涙した姿を思い出し感慨深い気持ちになった。野球を続けた場合、プロ野球のドラフトで話題になるのは、大学に進学した選手で4年後、社会人に入団した選手は早くて3年後。これからも、この世代の選手達の活躍を特別な気持ちで追いかけていきたいと思った。

プロ野球も予定通り開幕。注目の選手は、なんといっても感動の日本一から8年ぶりに日本球界に復帰した楽天の田中将大投手だろう。東日本大震災から10年の節目。メジャーリーグの第一線で活躍した選手がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみでならない(マーくんは、いずれまたメジャーに戻って活躍するでしょう)。

話は変わるが、メジャーリーグといえば、イチローやゴジラ松井、松坂やダルビッシュなど、日本のスター選手が次々と海を渡って移籍するようになった当時、「これでは日本の野球が衰退してしまう」といった声もあったが、私も友人とメジャー移籍について、賛成or 反対で議論したことを思いだした。

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私はもちろん賛成だ。友人は“スター選手のプレーを身近で見れなくなる”と反対していたが、日本の野球界は高校、大学、社会人、独立リーグなどプロを目指す選手の裾野が広く、一流選手のメジャー移籍は、逆に多くのアマチュア選手にとってチャンスになると感じていたからだ。

近年では、育成ドラフトで指名された選手が支配下登録を勝ち取り、レギュラーとして活躍しているケースが多い。4年連続日本一と圧倒的な戦力を保持しているソフトバンクがその代表例だ(開幕投手をみても、18,19年の千賀投手、今年21年の石川投手は育成出身)。昨年セ・リーグを制した巨人も、20年の育成ドラフトで12選手を指名した。三軍の設置を表明するなど、“育成の巨人”復活を目指している。

この育成枠という制度がなければプロの土さえ踏むことができなかった選手達が、今のプロ野球を盛り上げているわけだ。ちなみに、テスト生からプロ入りした故・野村克也監督の野球人生を調べてみて驚嘆した。そもそも野村監督が現役時代に残した偉大な記録(安打・本塁打・打点などでプロ歴代2位)は、プロに入団していなければ存在すらしなかったわけで、プロ入りできたかどうかは大きな転機だったといえる。

選手として評価されるタイミングもまちまちだ。例えば、日ハムや巨人でプレーした矢貫俊之投手は、高校野球の名門・仙台育英高校時代、公式戦に登板する機会はなく、「自分は12番手くらいの控え投手」だったそうだ。チームが何度も甲子園に出場する中、アルプススタンドで太鼓を担当する応援団だった。その後、進学した常磐大学で2年春からベンチ入りし、関甲新リーグで通算10勝。社会人の三菱ふそうトラック・バスを経て、2008年のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから3巡目で指名された。矢貫選手が高校で野球を辞めていれば、プロ入りもなかったわけである。

素人の私がいうのもなんだが、もちろんプロの世界で活躍する選手というのは、素材やセンス、培ってきた努力も一級品だと思う。そして、ドラフトやスカウトで見い出され、その中からごくひと握りだけが活躍できる厳しい世界であることも承知しているつもりだ。しかし、プロに入団できたことでチャンスを掴み、日本で成功して世界に活躍の場を移す。そのことが“未来ある金の卵たち”に新たなチャンスを与える。こんな素晴らしい循環が起これば、ますます日本の野球界は発展していくと心から信じている(そういう意味でも、個人的には育成出身の千賀投手のメジャー移籍に期待している!)。

最後にもう一度、新型コロナの影響による甲子園の中止は、私にとっても大きな衝撃だった。特別な思いをした選手達だからこそ、次のステップでさらに力を磨き、チャンスを掴んでほしいと期待している。そして、メジャーリーグで活躍するようなスター選手が誕生することを願っている。これからも、いち野球ファンとして強い思い入れをもって応援していきたい。頑張れ、ファイト!


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