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日常の光景、泣いているあなた

眠くてぐずって泣いているあなたを抱っこしてゆする。そうやってあやしても泣きやまず辟易する。
辟易しながらも、こうやって泣いているこの子をあやしてなだめることができるのはいつまでだろうと、思う。

ぼくはいつまで、あなたの悲しみを直接包み込むことができるのだろう。
いつかあなたがぼくの手から離れてぼくの力の及ばないところで悲しむようになってしまうくらいなら、いまこのうちに一生分の涙を流してしまってほしい。
ぼくが受け止められるいまのうちに、すべてを。

そうしてあなたがぼくから離れたあとは、ずっと笑っていてくれたら嬉しい。
そんなあり得ないことを考えていたら、いつまであなたと一緒にいることができるのだろうかと、ふと思った。

いつか離れなければならないときがくるのだと思うと、悲しくてつらくて申し訳なくて、今度はぼくの涙がとまらなくなった。

と書かれた、痛々しい日記が出てきた。

数年前からおんなじようなことばかり考えているらしい。
成長のないやつだ。


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