見出し画像

いじめについて

学校から帰ってきたあなたは、少し汗ばみつつも穏やかな表情だ。

学校といえば、「いじめ」だよね。って、そんな決めつけはよくないか。
けど、学校ってまだ人間関係に未熟な人が集まる場でもあるから、傷ついたりしていないか心配です。
あなたはとても賢くて繊細だから、まわりのいろいろな感情や態度などを察してしまって、しんどくなってはいないかな、とかね。

もし、あなたが誰かにいじめられていたとしたら。
それはもう完全に、いじめてくるやつが悪い。
たまに言われるのが「いじめられる方にも原因がある」という理屈。だけどいじめられる側にあるそれは、原因じゃあない。
きっかけというかなにかしらの取っ掛かりはあるのかもしれない。それがあることで、人からバカにされたり小突かれたりするようなことがあるかもしれない。
でもその取っ掛かりをつかんで相手を傷つけること自体が人間関係をつくる上で間違った行為だから、悪いのはいじめる側だ。

逆にもし、あなたが誰かをいじめていたとしたら。
というか、そうだったとして、そのこと自体に気付けているのかな。

今日友達に話したこと、あなたが振る舞った言動を思い出してみて。
そのとき、相手はどんな顔をしていたかな?
笑っていたけど、よく見たらその口元はひきつってなかったかな?涙目になっていなかったかな?声は震えていなかったかな?
もし思い当たる節があったら、明日その人にちゃんと「嫌だった?」と聞いてみて。必要なら謝って。そうして、相手の気持ちを汲み取る練習をしてください。

でも、人ってなんでいじめるのかな。
誰かをいじることでおもしろくなったりするから、それがエスカレートしちゃうのかな。
誰かをいじって場を和ませることって、大人でも難しいのにね。そんなこと、人間関係練習中の子どもが上手にできるわけないのにね。

おもしろいから、まわりも笑っているから、ついついコントロールできずにやりすぎてしまうんだろう。
このタイプのいじめについては、日々自分の言動を省みていかないと治らないと思う。そうして「やりすぎたな」と思ったなら、すぐに相手に謝らないといけない。
自分の未熟さに向き合える、強い人間になってほしい。

一方で、違うパターンのいじめもある。
蹴ったり叩いたり、水をかけたり、ものを隠したり壊したり。まだそんなことをやっている人間がいるのかと思うと、むなしくなるけど。
そんな犯罪行為を受けて困っている相手を見て笑う、たちの悪い人間も一定数存在するんだろう。
これも結局、人間関係のスキルが未熟だから起こるんだと思う。

そうやって、相手に負荷をかけないと自分が活かされないようなスキルしか持っていないから。
自分のストレスを発散するため、他の人を傷つけてもいいと勘違いしているんだろう。根本的な勘違いを犯している。

おまえは、誰かと比べて特別な存在であるわけじゃない。
おまえは視野が狭くて、自分の立場からしか相手を見られないんだろうけど、いじめられている側から見たらおまえなんか、この世に不要の存在だ。
にも関わらず相変わらず自分は特別だと思い込もうとして、自分のことばかり考えて、抱えているストレスは自分以外の人間に投げてもいいと勘違いしているのが、おまえだ。

こうやってぼくは自分がしてきたことを棚に上げて、あなたに偉そうに語ってばかりいる。
今回のメッセージも、きっとぼく自身が省みるべきことなんだ。

誰かを傷つけてしまった過去は取り消せないから、ぼくはもう人を傷つけないようにしたいんだけど、そう思っていても日々誰かを傷つけている。
きっとまだまだ「自分は特別な人間だ」という思い込みが抜けていないんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?