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電話を取らせるのはハラスメント? ~テルハラを考える

最近では新入社員に電話を取らせることをテルハラと言うのだそうですね。

僕らの頃は鳴った固定電話を一番に取って、掛かってきた人に取り次いだり伝言をメモしたりするのは新入社員の大事な仕事のひとつだったので、それがハラスメントになるのかとちょっとびっくりしました。

単にビジネス電話を取る練習ということもありました。

事実、慣れるまではちゃんとメモが取れなかったり、メモを書こうとした瞬間に相手の名前を忘れてしまっていたりしたものでした(仕方なく「ナントカさんから電話ありました」という伝言メモを書いて怒られた記憶があります)。

そして、新入社員(あるいはその近辺で一番若い社員)が電話を拾ってくれるおかげで、中堅以降の社員は目の前の自分の仕事に没頭できたのです。

喩えて言うならバレーボールのリベロみたいなもんです。1年目はリベロをやって、2年目以降にスパイクが打てるようになるというシステムでした。

ところが、それが最近ではハラスメントになる。それは1年や2年で辞めてしまう社員も増えてきたので、昔のシステムが回らなくなったということかもしれません。

それと、電話というものの機能と役割の変化があります。若い人たちはとかく固定電話を嫌がりますよね。

「だって、誰が掛けてきたのか分からないのに、出るの嫌ですよ」と言われて、僕らの世代は逆になるほどなと思ってしまいます。

ああ、そうか、君らは人生最初の電話がすでにケータイだったから、“非通知”じゃなくて“通知”通話だったんですね、って。

僕が新入社員の頃なんか、「新入社員たる者、リッと鳴った瞬間に電話を取っていないといけない」と言われて、ある時リッと鳴った瞬間に受話器を取ったのに電話は鳴り続けていて、よく見たら受話器を置くところをセロテープで貼ってあって、向かいの席で先輩がゲラゲラ笑ってました。

もちろん、セロテープを貼ったのも、今僕の内線に電話を掛けてきたのもその先輩です。

本来はそういうのをテルハラって言うんだと思うんですけどね。

思えばハラスメント認定のハードルが下がってきました。それはある意味、社会の進歩なのかもしれませんが(笑)

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新入社員についてはこんな記事も書きました:

電話についてはこんなことも書いています:


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