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2012-2023邦画:私の「掘り出しモノ賞」

2023年度の掘り出しモノ賞には『交換ウソ日記』を選んでおこうと思います。

掘り出しモノ賞というのは、かつて twitter ベースの映画賞であった coco賞の投票部門の一部で、自分が勝手に作った賞に投票できるという企画でした。

僕は毎年「掘り出しモノ賞」と名前をつけた賞に投票してきたのですが、このサイトがなくなった今でも、そのコンセプトが大変気に入ってしまって、引き続き勝手に選び続けている次第です(笑)

今年見た 60本の邦画の中からこの映画を選んだのは、いつもは大体監督で、そうでなければ脚本家で映画を選んでいる僕が、名前に全く記憶がなかった竹村謙太郎(監督)・吉川菜美(脚本)というコンビの作品を観てみたら、思いの外よくできた映画だったからです。

まさに掘り出しモノの名にふさわしいのではないでしょうか。

この映画を見た直接の理由は、僕が桜田ひよりのファンだからです。この映画では珍しくロングヘアの桜田ひよりが見られました(ちなみに、僕はやっぱり耳が見えるくらいショートの桜田ひよりが好きなのですが)。

でも、これは桜田ひよりの魅力に終始する映画ではありませんでした。共演の高橋文哉のファンのためだけの映画でもありません。とても良質な青春恋愛ドラマなのです。

青春恋愛ドラマなどと言うと、「女子供が見るものだ」と言わんばかりに嫌忌するおじさんたちが結構いますが、どうしてそんな偏見を持つのかな?といつも思います。

自分だって若い頃は恋愛して、青春やってたんじゃないのかな? とても不思議です。

この映画に関しては、奇を衒ったところはありません。ありがちな展開とも言えます。でも、脚本もカメラワークも適切で、とても丁寧に描かれていて、それがこの映画の説得力になっていると思うのです。

「この映画はこの点がすごい!」みたいな紹介がしにくい映画かもしれませんが、そういうわけで今年はこの映画を選んでおきたいと思います。

2012年以来、毎年の“掘り出しモノ”は下記の通りです(自分のブログの記事と映画.com の記事へのリンクを張っておきます):

(なお、この記事は毎年更新していますので、もし前年の映画についての記述がないなと思ったら、最新の記事を探してみてください。)

◇ ☆ ◇

2012年度『ミロクローゼ』

監督・脚本:石橋義正、撮影:小山田勝治
出演:山田孝之、石橋杏奈ほか

2013年度『四十九日のレシピ』

監督:タナダユキ、脚本:黒沢久子、撮影:近藤龍人
出演:永作博美、石橋蓮司ほか

2014年度『がじまる食堂の恋』

監督:大谷健太郎、脚本:永田優子、撮影:池田直矢
出演:波瑠、小柳友ほか

2015年度『私たちのハァハァ』

監督:松居大悟、脚本:舘そらみ・松居大悟、撮影:塩谷大樹
出演:井上苑子、大関れいか他

2016年度『の・ようなもの のようなもの』

監督:杉山泰一、脚本:堀口正樹、撮影:沖村志宏
出演:松山ケンイチ、北川景子

2017年度『おじいちゃん、死んじゃったって。』

監督:森ガキ侑大、脚本:山﨑佐保子、撮影:今村圭佑
出演:岸井ゆきの、光石研ほか

2018年度『blank13』

監督:斎藤工、脚本:西条みつとし、撮影:早坂伸
出演:高橋一生、松岡茉優ほか

2019年度『ウィーアーリトルゾンビーズ』

監督・脚本:長久允、撮影:武田浩明
出演:二宮慶多、水野哲志ほか

2020年度『青くて痛くて脆い』

監督:狩山俊輔、脚本:杉原憲明、撮影:花村也寸志
出演:吉沢亮、杉咲花ほか

2021年度『老後の資金がありません!』

監督:前田哲、脚本:斉藤ひろし、撮影:佐光朗
出演:天海祐希、草笛光子ほか

2022年度『大河への道』

監督:中西健二、脚本:森下佳子、撮影:柴主高秀
出演:中井貴一、松山ケンイチほか

2023年度『交換ウソ日記』

監督:竹村謙太郎、脚本:吉川菜美、撮影:板倉陽子
出演:桜田ひより、高橋文哉ほか

さて、皆さんの掘り出しモノはどの作品でしょうか? 掘り出しモノを掘り出すのって、映画を鑑賞する上で至福の瞬間だと思いませんか?

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

この記事の姉妹編みたいな形で「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」という記事も note に上げています(こちらはキネ旬ベストテンが発表になる翌年2月頃に更新しています)。


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