ぶりぶり
前にも書いた、と言うか、あちこちに何度も書いているのですが、僕は「どんぶり」を「丼ぶり」と表記するのが気持ち悪くて気持ち悪くて仕方がないのです。
もちろん言葉というものは変わって行くものだということは重々承知しているのですが、いや、これだけは何とかならんものか、と思ってしまうのです。
表題写真にあるように、全国に多くのチェーン店を展開する企業がこんな看板出してくれちゃたまらんなあ、と今日もため息をつきながら写真を撮ってしまいました。
多分知らない人が多いからこんなことになるのでしょうが、「丼」という漢字に「どん」という読みはありません。辞書には載っていないはずです。「丼」の訓読みは「どんぶり」であり、音読みは「セイ」です。
これだけ広まってくるとそのうちに訓読みに「どん」を加える辞書が出てくるでしょう(いや、ひょっとしたらもうちらほら出ているのかもしれません)が、今のところ、大勢としては「丼」に「どん」という読み方は公認されていません。
え? でも「鰻丼」と書いて「うなどん」と読むじゃないですか?と言われるかもしれませんが、それを言うなら「鰻」という字に「うな」という読みもありません。「鰻丼=うなぎどんぶり」を短縮して「うなどん」と言うので、同じように「鰻丼」を「うなどん」と慣用的に読んでいるだけなのです。
「鰻」の訓読みは「うなぎ」、音読みは「バン」と「マン」です。「うな」という読みはありません。「モー娘。」を「モーむす」と読むからといって「娘」に「むす」という読みがないのと同じです。
木村拓哉をキムタク、小島瑠璃子をコジルリというのと同じで、上と下から2文字ずつ取ってきて短縮形を作っているだけなのであって、「村」に「む」という読みがあるわけでも、「島」に「じ」という読みがあるわけでもないのです。
ちなみに、「親子丼(おやこどんぶり)」は上と下から2文字ずつ取ってきて「親どん」にするかと言うとそれはしません。何故なら、それだと卵入れなくて良くなっちゃいますから(笑)
話を元に戻しましょう。
そういうわけで、「鰻丼」と書いて「うなどん」と読ませ、「親子丼」と書いて「おやこどん」と読ませるのはまだ良いでしょう。
でも「うなぎどんぶり」を「鰻丼ぶり」、「おやこどんぶり」を「親子丼ぶり」、「どんぶりもの」を「丼ぶりもの」などと書くのはと書くのはおかしいでしょう? それって「うなぎどんぶりぶり」「おやこどんぶりぶり」「どんぶりぶりもの」としか読めませんから。
でも、これだけ広まってくると、上にも書いたように、そのうちに「どん」という読みを載せた辞書が多数派になってしまうのでしょうね。そして「どんぶり」は常に「丼ぶり」って書くようになるんでしょうね。
だって、すでに「丼もの」を「どんもの」って読んでる人も少なくないですからね。
多分、今から 100年後の「Yahoo!知恵袋」みたいなサイトにはこんなやり取りが載っているのではないでしょうか?
僕はすでに滑稽な人種なのかもしれません。
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