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リポートで終わらない

セミナー等に参加すると「帰ってきたらリポートを出せ」と言う上司がいます。僕が若い頃は大概がそんな上司でした。「会社に行かせてもらったんだからリポートぐらい書け」と。

つまり、リポートは懲役刑の強制労働みたいなものです。さぞかし良い報告書が書けることでしょう。

自分が上司の立場になった時に、僕はそんなつまらないものを求めるのはやめようと思いました。

そもそも自分が出席していない講演会やパネル・ディスカッションのプレゼン資料やまとめ資料を読まされたってちっとも実感が湧かないし頭にも入らないのです。

もし出席しなかった僕に知りたいことがあるとすれば、それは出席した君が何を得たのかということです。

もし、君の得たものが個々の具体的な知識であり、それはとりあえず君がつぶさに知っていてくれたら事足りて、わざわざ僕が知っておく必要のないことなのであれば、それを僕に知らせてくれなくて良いのです。

もし、君の得たものが個々の知識ではなく、もっとエッセンスめいたもので、今後仕事を進める中で何かヒントになりそうなものなのであれば、そのままその線で進めてくれれば良いのです。

要は君がそのセミナーで何かを得て血肉になったのであればそれで良いということ。

逆に、せっかく参加したのに何も得るところのないセミナーだった場合(そんなこともあるでしょう)は、ハナから報告することなんてないはずでしょうしね。

僕はよく若い人に「網羅的に語るな。象徴的に語れ」と言います。セミナーの報告も同じで、そこで聴いてきたことを漏れなく教えてもらう必要はないと僕は考えています。

「いろいろ聴いたけど、中でこのことがとても印象深かった」というような語りかけで、皆を考えに巻き込んでくれればそれで良いんじゃないでしょうか。

リポートなんぞを書くと、往々にしてそれで終わりになってしまいます。せっかく君がいろいろ聴いてきたことを、そんなところで終わらせるのは非常につまらないことです。

報告書なんぞ書く必要はありません。聴いたことをよく考えて、未来に繋げてください。

――ちなみに僕は、今日明日と民放連のセミナーを聴いています(笑)

(この文章は 2015/11/7 に facebook の「友達」に向けて書いたものです)

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