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私たちの仕事の電話と、あなたたちの仕事の電話

今の若い社員ってみんな、携帯に仕事の電話がかかってくると席を立ってどっかに歩いて行くでしょ?

多分、他人に聞かれずに話をしたいんでしょう。その気持は分からないではないんですけど、私たちの世代はどうしても、「それってどうよ?」と思ってしまうんですよね。

ま、私たちが若かった頃は携帯なんかないし、電話はデスクに貼り付いてましたから、席を離れようにも離れようがなかったんですが…。

でも、トータル的に考えて、昔は電話のやり取りを先輩に聞いてもらうのも仕事のうちでした。

で、電話を切った瞬間に四方八方の先輩社員から一斉に、「なんであんなこと言ったのか?」「なんでこれを言わないないのか?」「それで切ってしまうとまずいだろ?」などとボロカスに言われるんですけどね。

ひどい場合は「今すぐかけ直して、これこれを言え」などと言われて泣きそうになったりしたもんです。

でも、先輩社員のほうも「いいか、今から俺が電話するから横で聞いとけ」などと言ってくれたりもして、それが今度自分が電話するときになんとなく活きてきたりしてね。

みんながみんな、オフィスで他人の電話を、聞くとはなしに聞いて、今同僚がどんな仕事をしているのかを把握していました。そして、電話をしている本人も、周りのみんなに対して、「俺は今こういう仕事してるからな」と宣言しているような面もありました。

そして、困っている後輩がいたら、先輩たちが早めにそれを察知して若手にアドバイスをくれました。どうも間違った進め方をしていて、このままでは危ないぞと思ったら、先輩は電話の途中に割り込んででも、正しい進め方を教えてくれました(割り込まれたほうは面目丸つぶれですがw)。

私たちはそんな形で鍛えられてきました。もちろんそんな形だけが唯一の OJT だとは言いませんけどね。

そして、私たちも場数を踏んで、いつしか自分の後輩たちに“恩返し”ができるようになったなと思ったら、若い人たちは携帯を持って席を立つようになりました。

もちろん、わざわざ誰にも開示したりせずに、自分独りで進めて行く仕事もあります。でも、基本的に人は、人との交流を通じて成長するものではないでしょうか──電話の件だけじゃなくて。

私たちは、私たちの先輩たちみたいに押し付けたくはないのです。過度の干渉をする気もありません。でも、もうちょっと交流ができたらなあ、とは思っています。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

仕事の電話についてはこんな事も書いています(そこからリンクをたどってここにたどり着いてくれた方もあるかもしれませんがw):


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