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放送とインターネット

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放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテー…
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#テレビ番組

昔を思い出して、配信の権利クリアの仕事について、ちょっと書いてみました。

権利クリアの現状僕が放送局に勤めていた最後の十数年はテレビとインターネットを繋ぐことに心血を注いでいました。そして、最後の数年はテレビ番組の配信が本格的に始まり、まさに配信にまつわる実務をやっていました。 当時の僕の担務はやや古いテレビ番組の配信の権利クリア等々で、これには結構面倒なことがたくさんありました。 今ではいろいろな法律も整備され、いくつか組織も立ち上がり、ルールも確立し、手順もルーティン化して随分楽になってきたと思います。 所謂「見逃し配信」(このネーミン

僕たちはどう老いるか

毎日何してるんですか?「仕事辞めて、毎日何してるんですか?」とよく訊かれます。最初は大抵「何もしてないよ。ただのお爺さん」などと答えるのですが、さらにしつこく訊いてくる人に対しては、まともに答えるのも面白くないので、 みたいな返しをするのですが、これをマジで信じる人が意外にいて、びっくりします。 確かに盆栽とか、写経とか、縁台将棋などは老人の典型的なイメージなのかもしれませんが、しかしそれは昭和40~50年代ぐらいのステレオタイプじゃないのかな? 僕はわざと時代感覚をず

笑いのツボを考える──花紀京さんに憧れて

小学校時代、僕のお笑いの先生はよしもと新喜劇の花紀京さんでした(何故「吉本」をひらがなで書いているのか不思議に思う人もいるかもしれませんが、MBS の番組名は昔からずっと『よしもと新喜劇』なのです)。 同じことを言っても面白い人とそうでない人がいる。同じことを言っても笑いを誘う言い方とそうでない言い方がある。そこの差は何なのか? そんな問いに人生最初の答えを身を以て示してくれたのが京やんこと花紀京さんでした。──それは「間」や、と。微妙な間の取り方ひとつで人を笑わせること

「テレビ離れ」という厄介な発想(2022/3)

久しぶりに境治さん主催の Media Border に投稿しました。多分これが僕の最後の投稿になるのではないかと思います。少しだけ筆を入れてこちらにも転載します。 境治さんを筆頭に、Media Border には錚々たる書き手がおられますので、メディアの話をたっぷり読みたい方はこちらに登録されては如何かと思います(今回は note版ではなく、Publishers版の URL を貼っておきます)。 「テレビ離れ」という厄介な発想「テレビ離れ脱却論」の跋扈 インターネットと

仮面ライダーの思い出(にかこつけて)(2021/10)

NHK の特別番組『歴史秘話 仮面ライダーヒストリア』の番宣を見て、「ひえー、NHK がそんな番組やるのか!」と驚いた。そして、BSプレミアムで 2021/10/2 に放送したのを録画して観て、もう一回「おいおい、NHK がこんな番組作って放送しちゃったのかよ」と独りごちてしまった。 知っている人は知っていることだが、最初の『仮面ライダー』を放送したのは我が毎日放送(MBS)である。もちろん僕が入社する遥か前なのだが、入社してからも、 とか、 とか、いろんな逸話を聞かさ