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効果が同じだったら食材は置き換えても良いの?

先日、こんなご質問をいただきました。

白きくらげと梨のコンポートの梨をいちじくに変えても良いのでしょうか?

薬膳では、全ての食材には性質と効果があると考えます。

性質とはその食材を食べた時に体が冷やされるのか温められるのかどちらでもないのか?を表すもので、効果はそれとは別でパワーをアップさせる、体に溜まった要らない水分を排泄させるなどを言います。

質問者の方は、なぜこのような質問をされたのかわかりませんが、おそらくこう考えたのがベースなのではないかと思います。

『梨もいちじくも共に潤わせる効果がある』

梨もいちじくも潤わせる効果がある

夏の終わりから秋の初めに店頭に並ぶ梨やいちじくは、両者とも体を潤わせる効果があります。

水分補給に適しているということですね。

夏の終わりから秋の初め、そう、昔なら秋の運動会の練習をする頃です。
この時期は、日中はまだ30℃を超える日が続き、運動会の練習焼けで子供は夏休みに真っ黒になった上、さらに黒くなるものでした。

いつの頃からか運動会の練習中の熱中症が増加。
それで、小学校の運動会は春に開催されるようになりましたね。

丁度この頃に出回るフルーツは、汗で失った水分補給に丁度良いものだったのです。

そして、この運動会当日の頃は空気も乾燥し始めて、空が高く雲一つない青空というイメージではないでしょうか?

この乾燥にも梨やいちじくはとてもありがたいのですよ。

空気が乾燥してくると、カラ咳も出ることがあります。
喉の痛みも乾燥から。なので梨やいちじくの潤わる効果がとても季節と合っています。

梨といちじくの違い

梨もいちじくも潤わせる効果という点では同じなのですが、梨といちじくは全く同じという訳ではありません。

見た目が違うし、柔らかさも違いますが、

それだけではなく、性質が違うのですよ。

梨は、体を冷やす性質の涼性。

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対するいちじくは冷やしも温めもしない平性。

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そして、帰経と言って経絡のどこへ効果を発揮するのかも違います。

梨は肺・脾・胃。いちじくは肺・脾・胃・大腸。

大きな違いは冷やすか冷やさないか。
大腸にも効果があるか無いか。

これらの情報は食材事典に載っています。


特性を考えた調理時間の違い

梨は堅いですから、白きくらげが柔らかくとろみがつくまで煮ても溶けてしまうことはありませんが、いちじくはもともと実が柔らかいので、白きくらげと一緒に煮たら、コンポートというよりミキサーにかけたようなドロドロになってしまいます。

こんな違いもありますね。

どんな意図でこの質問をされたのか

質問者の方は、こんな症状の時に梨をいちじくに変えても良いのでしょうか?というような意図の分かる質問ではなかったので、何をお答えしたら良いのか考えました。

食材事典をお持ちなら、食材事典で調べたら載っていますので、お持ちではないのでしょう。

今ならネットで調べても出てきます。ただし、いくつか複数のサイトで調べてみないとたまに性質は違っているので注意です。

梨といちじくの違いを総合すると、このご質問に対する回答は、

何のために置き換えるのか?

―潤わせることに着目したのであれば、冷やしたいのか冷やしたくないのかで置き換えの可否が変わります。

体調はどうなのか?

―便秘気味なら大腸にアプローチするいちじくがベター。
―体に熱がこもっているなら梨がベター
―胃腸を中心に体が冷えているならいちじくがベター
―痰の多い咳が出ているなら梨がベター

のように食べる人の体調によって置き換えの可否が変わるのです。

効果が同じなら食材は置き換えても良いのか?

その結論は、食べる目的によって変わります。

何のためにその食材を食べようとしているのか?体調を整えるためであればそこは外せないポイントです。

どんな食材にも性質と効果はありますが、全く同じ食材はあまりないでしょう。たとえ、性質と効果が全く同じだったとしても、梨といちじくがそうであるように、柔らかさや味は違いますものね。

楽しみで食べるのであれば、あまり深く考えずに食べたい方を食べても良いと思います。その場合は、一度に大量に食べないこと。

大量に食べると、その食材の持つ性質や効果が強く影響するかもしれないからです。(アレルギーという意味ではなく)

梨といちじくだけでなく、どんな食材でも同様です。
置き換えを考える時の参考にしてくださいね。


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