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中医学や薬膳で言われる、お腹にやさしい食べ物の勘違いをしていませんか?

気候が変わったので、コンビニやスーパーの商品が変わっていないかと、ワークショップの材料の不足品の調達を兼ねて成城〇井さんに行ってきました。

あずき茶、とうもろこしのひげ入りコーン茶、コーン茶と体に溜まった要らない水分(どぶの水)を出すのが得意なお茶がずらり。

ただ、コレは全部冷たく冷やされたものだったのですね。

薬膳の基になる中医学では、食材には性質(常温でも冷やす・温める・どちらでもない)と効能(栄養学に似たものでスタミナをつける。胃腸の調子を整える、お通じの改善、貧血対策等)があると考えられています。

「常温でも」ということがポイントで、体にこもった熱を冷ます性質の食材なら常温でも身体を冷やすということなのです。

この三種類のペットボトルのお茶は、どれも体に溜まった要らない水分を排泄させるのが得意な食材をお茶にしたもの。

なぜ、要らない水分が体に溜まりやすくなるのかと言えば、お腹を冷やしたり暴飲暴食、甘いものや揚げ物などの脂っこいものを食べ過ぎていて、お腹を弱らせているからなのです。

体に溜まった要らない水分を排泄させるお茶なのに、冷やして飲んでいたらまた溜まると思いませんか?

※冷たく冷えたペットボトルのお茶を一気に飲むようなことがなく、一口ずつ何度かに分けて飲んでいれば、そこまで気を遣わなくても良いです。

一般的に、お腹にやさしいと思われているメニューが実はそれほどでもない場合があります。

お腹(消化器系)はどんなことで弱るかを知る


お腹はどんなことで弱るかと言えば、中医学で消化器系のシステムに当たる「脾」「胃」で考えてみましょう。

「脾」は湿気に弱く、「胃」は冷えると良い働きができません。

よく噛まずに早食いすると、唾液の消化酵素があまり混ざらないまま食べ物が胃に入ってしまい、食物自体も大きい状態です。

つまり、胃はほとんどそのままの形状の食物を必死で消化しなければならないのです。

そこへ氷入りの冷たいお茶や食後直ぐにアイス等が加わると、なかなか消化できないばかりか消化器系のシステムを酷使することになります。

氷水の中にしばらく入れて冷たくなった手で、細かい作業、例えば編み物やきれいに仕上げなければならない作品作り等、パフォーマンスが下がりますよね。

食べ過ぎて、常に消化のために動き続けている状態だと、胃が空になり、きれいにする時間がありません。

昔から続くおでん屋さんは、開店当時からの秘伝のお出汁をつぎ足しながら煮ているそうですが、人の体は常に食物が入っている状態では、胃が休まらず中医学ではずっと「気」を消耗し続けている状態と考えます。

ブラック企業の社員は疲労が蓄積されて、失敗や事故を起こしやすくなるのと同じで、こき使われている胃腸はブラック企業と同じです。

食べた物を効率よく消化して栄養に変え他の臓器を健康に保つこと、不要な物は便や尿として排泄させること。

ここに事故や失敗が起こると考えたらわかりやすいかもしれません。

食べているのに、スタミナがない。
水を飲むだけで太る。(実際は消費カロリーより摂取カロリーが多いので太るのですが)ということが起こります。

お腹にやさしいと思っている食べもの、本当にやさしい?


例えば、お茶漬け、おじや、雑炊などはお腹にやさしいと思って食欲がない時や体調が悪い時に食べている人も少なくないと思います。

具合が悪い時の定番、お粥と似ているから、どれもお腹にやさしい???

お粥は米の形が崩れているため柔らかく消化が良くなっています。
温かい状態で食べる食事ですよね。

できれば中華粥のような柔らかさになっていたらお腹にやさしいお粥です。

お茶漬けは、炊いたご飯に漬物や佃煮、焼き鮭、梅干しなどを入れてお茶をかけたもの。

ご飯はお茶の水分を吸い膨らみますがお粥のように柔らかくはなっていません。

お茶と一緒に飲むようにサラサラとあまり噛まずに食べてしまうので、お腹にやさしいとは言えません。

食べやすいことは食べやすいのですが。

おじやは鍋料理の締めや、残ったみそ汁にご飯を入れて煮たものです。
お茶漬けよりは、ご飯は柔らかくなりますが、お粥の柔らかさとは違います。

お粥と比べたら、お粥の方がお腹にやさしいことになりますね。
むしろおじやを早食いしたら、水分を多く含むことからお腹にとっては消化しにくいということになるかもしれません。

雑炊は、一旦ご飯を水洗いして粘り気を取ってからお出汁で煮ます。
お茶をかけただけのお茶漬けよりは煮てありますが、サラサラとしていて食べやすい反面、ご飯はそのままなのでよく噛まないで食べてしまうとお腹にはやさしくないということになります。

たまたま見つけたペットボトル入りのお茶。

要らない水分を排泄させるのが得意な食材が使われたお茶を、その目的で飲むのだとしたら、お腹を弱らせない温かいものかせめて常温以上で飲むことで、食材の効能を効率よく使えます。

これと同じで、お腹にやさしいと思って食べるお茶漬けやおじや、雑炊も急いでよく噛まずにサラサラと食べてしまえば、かえってお腹の負担になります。

夏になると冷たいお茶をかけたお茶漬けを朝ご飯に食べる人もいるようですが、冷やして水分を入れたら胃腸の働きはダウンするという仕組みを理解していると、それを空腹のときに食べるのか止めるのかの判断になるのではないでしょうか。

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