生理痛はありますか?
こんにちは!
北海道の中医薬膳師、みやこです。
日々のちょっとした不調を整える薬膳などを紹介しています。
第9回(啓蟄)は、生理痛についてのあれこれです。
周期が乱れる、経血が多い(少ない)、PMSがある、、、月経のトラブルはいろいろありますが、生理痛に悩まされているという方は少なくないのではないでしょうか?
ちょっと下腹が重だるいなぁというくらいは問題ないかと思いますが、生活に支障をきたすような生理痛は月経困難症という病気の分類になります。
強い生理痛は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気の症状である可能性もありますので病院での検査は大切です。
そのうえで、もし病院を受診してもこれといった原因が見つからないときは、中医学の出番です。
いやむしろ、中医学の得意分野!
当たり前のようにあると思われている生理痛、中医学では「ないのが当たり前」です。
鎮痛剤を飲み続けなければ動けないというくらいの生理痛は「ない」ことが普通なのです。
では、ないはずの痛みがなぜ起きるのでしょうか。
中医学で、生理痛の原因は大きく3つに分けられます。
①温める力が弱かったり寒いところにいるなどで子宮が冷えて血流が滞り痛む
②ストレスで気の巡りが悪くなり痛む
③気血が不足して痛む
気血がたっぷりとあってよく巡っていることが身体のよい状態です。
ですが、気血が足りなかったり詰まっていたりすると不調が起きると考えられており、生理痛もその不調のひとつになります。
☆気:身体を動かすエネルギーのこと、血:血液を含む栄養たっぷりの液体のこと
生理痛では①のタイプが最も多いといわれています。
いわゆる冷え症の方で、子宮を温められず血流が滞り、痛みが発生します。
生理前から前半に、下腹に刺すような痛みがあり、温めるとよくなります。
また経血の色が黒っぽく塊が出るのが特徴です。
※本来は赤〜暗赤色でサラサラとしています。
中医学には「不通則痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。
流れが悪くなると痛みが発生するという意味で、①の他に②もこれに当てはまります。
①は血の巡りが悪くなって痛みが起きますが、②は気が滞って痛みが起きます。
生理前に胸が張ったり、さすっても痛みが和らがなかったりするのは気の滞りによるものです。
PMSのある方はこちらのタイプであることが多いです。
③は気や血が足りず、エネルギー不足・栄養不足となり、痛みが起きます。
「不栄則痛(ふえいそくつう)」という言葉もあり、栄養が不足すると痛むという意味です。
このタイプには、生理中や生理後に痛む、疲れやすい、眠気が強いといった症状があります。
厄介なのは、どれかひとつが原因となるだけでなく、これらが組み合わさっていることも多いのです。
原因によって手当ても変わってくるのでややこしや。。
私は痛みがあるときは鎮痛剤に頼ることはありだと思っています。
今この痛みをなんとかしたい!というか、なんとかしないと辛いですよね。
加えて、薬膳でサポートできればいいのかなぁと。
ひいては、日々の生活で生理痛のない身体になるように少しずつ整えていければなおよしなのでは。
ちなみに、鎮痛剤は飲むタイミングも大切で、痛みの元であるプロスタグランジンがたくさん放出される前に服用して痛みを抑えるのがよいそうです。
ということで、タイプ別の薬膳ケアのご紹介です。
①冷えタイプさん
冷えの原因にもよりますが、身体の温める力が弱い方は、温め力アップの胡桃、羊肉、エビ、ニラ、唐辛子などを。
寒いところにいて冷えてしまったときは、血流を促して温める、葱、生姜、紫蘇、蓬やシナモンなどを。
温かいものを摂る、入浴して温まるなど、身体を温めて過ごすことが大切です。
②ストレスタイプさん
まずは何より気を巡らせること。
玉ねぎ、らっきょう、青梗菜、えんどう、そして柑橘類のように香りのよいものがオススメです。
ストレスが気の流れを悪くするのでストレスの元をたつのが一番なのですが、、自分では如何ともし難いことも多くなかなか難しいですよね。
気の巡りにはストレッチやヨガ、ウォーキングなど軽く身体を動かすことも効果的です。
③エネルギー不足さん
米、芋類、キャベツ、鶏肉、にんじん、ほうれん草、ぶどう、レバーなどで気血を補いましょう。
そしてしっかりと寝て気血をためることが重要です。
睡眠にまさる養生はありません。
生理痛といえば温めることが多いかと思いますがそれだけでは改善が難しい場合もあります。
体質にあった養生をすることで、生理痛だけではなく他の不調も改善されて、健康がぐっと底上げされます。
状況に応じて薬の力を借りつつ日々の養生で生理痛のない月経期を過ごしましょう。
生理痛はないのが当たり前、ですよ!
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☆次回は春分(3/21〜)に更新です!
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