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十五夜(綱編み)

平野区では毎年十五夜に綱を編み、綱引き、相撲を行う風習があります。
今年は事情により綱編みだけ行いました。

昭和四十頃までは十五夜の綱は「葦(よし)」、十三夜の綱は「藁(わら)」とされていましたが、その後、いずれも「藁」でつくるようになりました。水田耕作などの関係で「藁(わら)」集めが困難となり、材料と人手不足から昭和五十二、三年頃から「藁(わら)」に変えて「萱(かや)」を利用するようになり、十三夜も取りやめることとなりました。
綱打ちは午後三時頃から始め、これに先立って各戸より萱(かや)を集めて回り、同時に綱の芯に使うカンネンカズラを取ってきます。

今回は13時半からはじめて、平野区にある慶照院さんの萱を使わせていただきました。

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綱打ちは一人が芯になるカズラを握って真ん中に座り、三人(現在は五人)が萱を持ってカズラの外から捻(ひね)りながら組み合わせていきます。

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例年では綱を作る三人(五人)には一人ずつ萱を渡す人がつき、その他の人は作業をしやすいように段取りをしますが。今回は参加人数が少ないです。
萱は出来るだけ長いものが良く、カズラは根元の丈夫なものを使いますが、枝(えだ)蔓(づる)の場合は二、三本を一束にして使います。綱の太さは直径十五~二十センチ、長さは十五夜が十五尋(ひろ)(尋:五尺~六尺、約一・五~一・八メートル)とし、出来上がった綱は綱引きをする場所近くに丸く重ね、焼酎、餅、牡丹餅(おはぎ)を供えて月の出を待ちます。

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今年は残念ながら、綱編みの後は解散し、各々でお月見です。

通例では綱引きは一時間くらいで終わります。その後、綱で土俵を作り、相撲が行われます。2年前にははじめ、こどもたちは恥ずかしながら、躊躇していましたが、一巡した後は、我も我もと大盛り上がりの相撲大会となりました。

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今回は集まった有志によって、編まれた綱はとぐろを巻いて神社前に奉納してあります。このとぐろは、11月3日の神社大祭の折り、しめ縄として利用されます。

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皆様、ご協力ありがとうございました。