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やくしまの庭の草はらい

雨が多いのが当たり前の屋久島。
多くの人たちが天気によって仕事の進み具合が変わると言っても過言ではない。

でも、その雨が好きな人も多い。

そんな訳だから、晴れている日には晴れの仕事を。

雨の日には雨の仕事を。

合間のくもっている時には曇の仕事を。

草はらいはくもりの定番の仕事。

「草はらい」とは山林の下草などを刈り取ること、刈って払い除けること。屋久島に移る前には「草刈り」としか呼ばなかったが、少しニュアンスが違うような気がする。屋久島の人たちは「草はらい」という。

随分と手を入れていないので、ぼさぼさになってきたので、はらうことにした。

移住してからすぐに購入した草刈り機。1万4千円くらいだったか、ネットで見つけて使い始めて以来、壊れたことはない。小さなエンジンで力強く動いてくれる。

燃料は混合燃料。ガソリンとエンジンオイルを50:1で混ぜたのを入れる。それだけで1時間弱回る。

移住前は考えてもみなかったが、意外とこれが楽しい。黙々と作業を進めていく間に、普段気が付かないことに気が付いたり、新しいアイデアが浮かんだり。あっちもこっちもしているうちに、遂には全部中途半端になってしまうのがいつものルーチンだったりする。

今回真っ先に見つけたのはジャガイモ。昨年末くらいだったか、冷蔵庫で芽吹いたジャガイモを植えてみた。結構沢山、葉をつけたのだが、暖かくなるにつれて回りの草たちに負けて姿を消してしまった。そう思っていた。周りの草をはらうと、復活して元気な緑色を見せてくれた。

知らない花を見つけた。
草としてはちょいちょい見ていたような気がするが、花を知らないと確定できない。

写真に撮って、アプリで調べる。便利なものがあって、クラウド上で調べてくれる機能と、園芸好きが返答をしてくれる機能がついている。いつも投稿すると、その日のうちに返答があり、解決する。ありがたい。

今日の花は「ギシギシ(羊蹄)」という。

ちょっと頼りなさそうな名前をつけられたものだが、平安時代から薬草として利用されてきたらしい。屋久島の薬草に多い特徴のひとつで、抗菌作用と緩下作用がある。根を乾燥させて煎じて飲んでもいいし、根を生のまま幹部に塗ってもいい。便秘にも効くって。ただし、生の食用はシュウ酸を含み、オススメできないと。

もうひとつ、気になった小さくてかわいい花の群生を見つけた。

「万年草」

こちらも殺菌、消炎作用に優れ、血液を清める効果があるため、急性気管支炎や湿疹、腫れを抑える働きが期待できるそう。また、サルメントシンという成分が肝機能の向上などに効果があるとされているが、一方で「良薬口に苦し」煎じた物は非常に飲みにくいというのが残念。

見たことのない生き物を見つけた。
Googleの画像検索をすると「オオフタモンウバタマコメツキ」という日本固有亜種らしい。害虫でもなさそうで、結構かわいい。

店の脇道は3歩で森に。

最後に、屋久島移住して直ぐに育て始めた「コーヒーの木」の手入れをしてあげていると、一粒だけ結実していた。地味にうれしい。