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ヤンバルトサカヤスデ対策委員会

7/30ヤンバルトサカヤスデ対策検討委員会に参加しました。
1. 開会
2. 町長あいさつ
3. 議事
⑴ヤンバルトサカヤスデ発生状況について
⑵ヤンバルトサカヤスデ蔓延防止対策について
⑶集落の要望について
⑷その他
⑸意見交換

令和3年度屋久島町ヤンバルソサカヤスデ対策検討委員会資料

令和2年度鹿児島県内ヤンバルトサカヤスデ発生状況

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委員会では”如何に薬剤散布でヤンバルトサカヤスデを駆除するか”というものに思えました。そこで委員会の後、気になって、調べてみましたので、少しまとめます。

ダントツお勧めの”ヤンバルトサカヤスデの特性を研究した動画”がYouTubeにありましたので、是非ご覧ください。子供たちが実際に捕獲して実験、観察、結果を分かりやすく導き出しています。

『全国こども科学映像祭受賞作品 (84)H27年度第14回優秀作品賞中学生部門「なんとかして ヤンバルトサカヤスデ」』
https://youtu.be/C8UMEnZN-uk

発生しやすい場所を特定しています。温度が高く、乾燥している場所にはヤスデが来ない訳です。
今回の会議でひっかかるのは「薬剤は2週間持続するので、晴れが続く時期に散布するのがよい」とのことでしたが、そもそも晴れて乾燥している状況下をヤンバルトサカヤスデは嫌います。
草を刈り、ブロワで吹き飛ばし、太陽が当たるようにすれば、ヤスデが棲みにくい環境になるのではないでしょうか。
もちろん、バランスが大事です。僕も多足類は気持ち悪いと思います。大量発生したら薬剤を使ってでもすぐに駆除します。それは否定しません。

今回、役場推奨していた「アルミテープ・養生テープを貼ると家屋に上ってこない」というのも紹介されています。外壁材の提案までしていて、とてもいいです。
行動パターンも7割予測がつくという、専門家のような子供たち。素晴らしい!

この他、薬剤を使わずに駆除する方法として、速乾パーツクリーナーでやっつけている動画もありました。
『パーツクリーナーで即効駆除 殺虫剤よりも効果あり』
https://youtu.be/YcM0zHZLemk

『ツルツルで歩けない。アルミテープで安くて簡単、ヤスデ対策』
https://youtu.be/36j67lYliYI

いろいろと調べて(とはいえ、1時間程だけですが)まとめると、以下のことがわかりました。
ヤスデ駆除にあたって、してはいけないこと。
・薬剤の大量散布
 生態系が壊されて、人間にも害が及ぶ可能性があります。
・生活環境の中でモノ(特に段ボールなど)を保管する。
 ダンボールは害虫の大好物。虫を育成するには最高の環境となります。
・常温保存品をそのまま放置(未開封油を地下収納に保管など)
 未開封でも人間にはわからないレベルで虫の誘因効果があるそうです。
・水を撒く
 雨の多い屋久島ではあきらめた方がよさそうですが、水はけの悪い場所を出来るだけ作らないようにした方がよさそうです。

最後に一番、興味深く、真っ先に見た動画はこちら。
『ヤスデを食べるヒキガエル』
https://youtu.be/qt6ehFYuHFY
ヒキガエルはヤスデを食べるんですね。
とすれば、屋久島にカエルが棲みにくい環境が広がっているのではないかと考えられます。
そうです。薬剤を大量に散布すれば、水場の生き物に影響があります。おたまじゃくしが居なくなれば、カエルが居なくなります。

どうでしょう、カエルのいる田んぼの近くでヤスデっているものでしょうか?もし、いないのであれば、仮説通り、薬剤散布を辞めて、カエルが生育する環境を作ってみませんか?

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後日追記
外殻が固く、不快に感じた時に有害ガスを発生することで、天敵が少なく、一度繁殖するとなかなか減らすことはできません。山林に普通に存在する多足類です。
基本的にヤスデは土壌を改良して、水はけをよくしてくれる益虫です。土の中の落ち葉や虫の死骸などを食べて生きています。土の中で脱皮を繰り返して8年程で一生を全うします。つまり、一度、薬剤で駆除しても、成虫になっていないヤスデが翌年現れることになります。毎年同じ場所にでるのはその為です。
湿った場所を好みますが、水中では生きれません。従って、梅雨時期、水はけが悪い場所に住んでいたヤスデは乾燥した場所に移動します。
この時、格好の雨宿り先が人家です。ほんの1mmの隙間からでも入り込んできます。
水はけをよくしてくれるヤスデを殺すことによって、結局、水はけがよくない環境は変わらず、毎年大量に出現しやすい条件は変わりません。

ナウシカの話を思い出しました。

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