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【農業/SDGs】みらい農場 羽生 の取り組み~地元ウィスキー粕を使った土壌改良

みらい農場の金子です。

本日は「みんなで考えるSDGsの日」だそうです。
私たちの会社は、全部署でSDGs推進に力を注いでおりますが、こういった日が設けられていることは初めて知りました。
「みんなでSDGsの17の目標を考えよう」という意味で「“み”んな=3月 “17”の目標=17日」という語呂合わせになっているそうです。

みらい農場とSDGsの活動

当社では様々な活動をしておりますが、本日は私たちの農場での取り組みを紹介します。
埼玉県羽生市にある私たちの農場は、たびたびnoteで記事を掲載しておりますが、有機農業を行なっています。

有機農業は持続可能な農業のスタイルなので、SDGsとの親和性が非常に高いです
農業部門でまず頭に浮かぶのは、自然の中の仕事ということでSDGsゴール「15.陸の豊かさも守ろう」でしょうか。

有機農業では、化学的に作られた農薬や肥料は使えません。化学合成物質が畑に入ってしまうと、そこにもともと住んでいる生き物に影響したり、悪影響を出しているものが分解されるまで長い年月が必要になったりするからです。

心を込めて野菜を育てています

また、私たちがお借りしている畑は、もともと耕作する人がいなくなってしまった畑だったので、私たちが畑を耕すことで、土の中の生き物にも住みよい環境づくりにつながり、空き地を住処にする野良猫やタヌキなどの数を抑制することにも役立っています。
私たちが継続的に活動できれば、この目標を達成する未来も近づくため、これからも頑張っていきます。

続いて浮かぶのは、野菜を作るという観点から「2.飢餓をゼロに」でしょうか。

小目標の内容に沿っている実際の活動としては、市内のフードパントリーやフードドライブへの参加が挙げられます。
フードドライブは、家庭内の食べきれない保存がきく食品に限られますが、フードパントリーでは、私たちが売り切れない有機野菜や、商品として出荷できない有機野菜を提供させて戴いたことがあります。

まだ継続して参加できていませんが、せっかくおいしく作った有機野菜が、無駄になることもなく、受け取って戴く方々のお力にもなれて、とても良い活動だと思います。
これから畑での生産量を増やしながら、フードパントリーへの参加機会も増やせればと考えています。

農場は、工場やオフィスとは違い、壁がないオープンな環境なので、実際に働いている私たちと、周辺で暮らしている方々との接点がたくさんあります。そのような環境で自然と根付いたのが「8.働きがいも経済成長も」にある、老若男女にとらわれない職場づくりです。

私たちの農場では、近所にお住いの、セカンドキャリアを迎える方々が働いてくださっています。
通りかかって農業に興味を持った方や、市内の企業紹介や地域町内会の回覧板で、私たちの農場を知ってくださった方が集まってくださいました。

皆さんと働いていると、市内でフードパントリーが実施予定だったり、新しい野菜売り場を見に行った感想を教えてくれたりと、助けて戴くことが多く、とても心強い存在だと感じることばかりです。

ウィスキー粕で土を作る

そして、同じ羽生市内のつながりで、今もっとも力を入れている活動が、株式会社東亜酒造様から頂く、麦芽粕を使った畑の土壌改良です。

麦芽粕を散布している様子


麦芽粕とは、ウイスキーの原料である麦芽を絞った残りで、製造過程で発生する副産物です。通常であれば産業廃棄物として処分されるそうですが「12.つくる責任つかう責任」に沿って、廃棄物の削減ができないかと、私たちに声をかけてくださいました。

私たちにとっても、有限の資材を仕入れて使用し続けるより、資源の無駄遣い削減を目指す「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標達成のため、新たに生まれる麦芽粕活用はとても良い取り組みだと思いました。

頂いた麦芽粕の袋を下ろしたところ

麦芽粕は発生する際に、300㎏の袋を3袋で、合計1t単位の袋詰めにして戴いて、私たちが受け取りに伺う形で頂いています。
頂いた麦芽粕は、袋ごと畑に下ろして開封し、みんなで手分けして決められた面積に散布しています。

麦芽粕はしっかりした有機物で、枯草や落ち葉より、畑の中で分解されるスピードがゆっくりしています。すぐに分解はされませんが、丸一年使わせて戴いている実感としては、以前より畑の土が乾燥したときにできる塊が小さくなり、土も柔らかくなったように思います。羽生市内でのつながりで、ゴミとして廃棄される予定だったものが、私たちの畑の土を改良してくれていると考えると、本当に素晴らしいつながりができたことに感謝しかありません。

今は畑の土壌改良に加えて、堆肥作りに挑戦しています。
こちらはそう簡単にいかない取り組みですが、少しずつでも前に進めたらと頑張っています。
さらに、他の副産物についても活用できないかと検討しています。せっかくSDGs推進によって結ばれた関係なので、これからも協力させて戴きつつ、さらに進化していければと思います。  

麦芽粕を撒いた畑ですくすく育つ有機ネギ


同じく麦芽粕を撒いた土で育つ有機ニンニク
          

私たちにとってのSDGs

SDGsには17の目標がありますが、できる限り達成するのではなく、すべてを同時進行で達成に向かっていくことが重要です。
今を生きる私たちだけでなく、これから生まれ育っていく世代に、持続可能で健全な環境を渡していくためにも、どれも欠かせない目標になっています。

当社でも、幅広い目標の達成のために、様々な部署で一人ひとりが、それぞれ関係する目標を重点的に取り組み、みんなで考えながら進んでいます。

麦芽粕を提供して下さっている東亜酒造さんは、400年の歴史を持つ埼玉県羽生市の酒造メーカーです。麦芽粕で土作りをしている当社のみらい農場で育ったグリーンリーフレタスと銀杏を東亜酒造さんのお酒のおつまみにして召し上がって下さいました。
(詳しくは下記のリンクから)



記事作成/薬糧みらい農場 羽生    金子


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