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【SDGs】いすみ市で田植え体験をしてきました(後編)

今回参加のメンバー、例えば自分の子供が学校でSDGsや有機農業について学ぶ授業があったり、身近なところでのSDGsの継続的なムーブメントがきっかけでした。一度参加された中には、なんと8年も継続して出席されているご家族のかたもいらっしゃるとのこと。本やネットじゃ絶対に理解できない、実際にやってみて初めて分かる、貴重な田植え体験でした。
今回はその後編となります。

●田植えをやりきった!

小さいと思っていた場所ですが、足りませんでした……

今回のスタッフを除く参加人数は約40名くらいで、実は1回では全体を植えることができませんでした。一見小さく見える田んぼで、これだけの人数で一斉に植えても足りなかったのです。
再び皆で並びました。

空いている事には気づいていたけど、、2回目!

さすがに2回目は慣れてスピードがついてきました。
今年も「いすみ大使」とのことで、タレントのドロンズ石本さんが司会を務められています。プロの方の絶妙なトーク、すばらしかった。皆を楽しく応援してくれて、そのおかげもあってヒートアップ!

長い2回目、ようやく終わりが見えてきました。

全面植え込み完了!やりきりました!

他に比べてこじんまりとした、一見狭く感じていた田んぼでしたが、驚くことに7〜8俵、1俵が60kgですので420〜480kg収穫できるとの事。500kg弱と聞くとそこまで収穫できるのかという驚きがあります。
そして、その収穫に見あった労力がしっかりかかっていた事を改めて実感しました!!

最後にひとこと「たのしかった!!」

やりきった!
綺麗に植えられました!うれしい

●労働のあとのおたのしみ。「いすみっこ」を味わう

田植えの後は、皆で食事会となりました。いすみ市の方とボランティアの方に炊き立てのごはんをご用意いただきました。
ごはんはもちろん地元産の米「いすみっこ」です!

もみ殻がこぼれるほど、みっちり詰め込みます。炊いた後の灰も肥料として活用します!

この釜は「糠釜(ぬかがま)」といいます。
通常の釜では薪(たきぎ)を使用しますが、この窯は米糠を有効活用して米を炊く特別仕様なのです。二重の円柱のかまどの部分に、燃料として「もみ殻」「杉の葉」を使用し、外側にたっぷりのもみ殻、仕切りの内側に杉の葉を入れます。
地元の山に生えている杉の葉は、松の仲間というのもあり油分があるため燃えやすく、着火剤としての機能があります。(キャンプをする方には松ぼっくりが着火剤として使えるという事はご存知かと)
一方、米を脱穀した際に出るもみ殻は、じんわりと燃え、米を炊くのには長く使える燃料として適しているとの事。
さらに出た灰も、糠にまぜて発酵させ、肥料として使うそうです。まったく棄てるところがありません!

みずみずしい、炊き立てのご飯。最高の贅沢です。
その他にも豚汁と田舎料理のおかずも用意されました。おかずはすべて地元のお母さん方のボランティアだそうです。

本日のお品書き

切り干し大根、筍の子煮、ごぼう煮、にんじん煮、ふき煮、こんにゃく煮……特にふきはこの山で採れたばかりの、まさに今が旬の野菜です。

主婦(主夫)の方なら分かる、これだけの手間をかけた料理を用意するのは大変!
贅沢なごちそうです!

●昔ながらの手作業での田植えを体験して

新緑がとても綺麗でした

有機農業への転換や就農の支援を取り組まれている、いすみ市。市外の一般の方へ向けてこのようなイベントを開催し、有機農業へ興味をもってもらえるような施策を行なっています。
どうして、わざわざ準備するのが大変な田植えをイベントとして開催するのか。毎年行うことで、いすみ市や有機農業を身近に感じてもらう、文頭にありました8年参加のご家族のように、それこそ子供のころから参加していただいて「故郷」として想ってもらえたら、おとなになってからもいすみを思い出してくれたら、との事。有機農業を通して、地方創生としての役割もあります。

私たちも、普段体験できない田植えをしたことで、ただ「農業は大変そう」というぼんやりとしたイメージだったのが、実体験することで解像度が高まり、改めて視野が広がった、そんな思いでした。

他と比べてかなり小さいと思っていた田んぼを、あれだけの大勢で植えたにもかかわらず植えきれなかった事をはじめとした、身体を使うことで理解した農作業の辛さ(しかも田植えのみという農作業のごく一部)。
さらに、農業の周りには「自然環境」があり、その保全をするのも人であるということ。今回は参加ということで「おじゃまさせていただいた」私たちですが、それを整えるのはいすみの農家の方々です。おたまじゃくしやアメンボがいる環境は1日2日では当然作ることはできません。継続的な保全によって、他には替えられない豊かな自然と、生き物の営みが循環し、農作物がすこやかに育つ。
さまざまな施策を打っていった事によって、年々生産量が増えているとの事ですので、こういった自然への日々の努力が繋がっていき、お米が生まれているんだなと思いました。いすみっこ、大事に食べます。

次は収穫!またこの場でレポートできればと思っています。
楽しみにしていてください!

記事作成/薬糧note編集部 赤尾


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