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リゾートバイトで感じた人間の怖さ

私はこれまで、いろいろな旅館・ホテルでリゾートバイトをしてきました。

リゾートバイトは、実は非常に特別な出会いで溢れています。現地で働く人や別の場所から派遣される人、つまりほとんどがもう2度と会わない、一期一会の関係の人たちなのです…!!!

それに、バックグラウンドは様々。この出会いこそが私にとって新鮮で楽しくて学びあるものばかりでした。1人でリゾートバイトをすることも多く、変人扱いされたり出会った人に友達いなそうと言われたりしたこともあります。笑

リゾートバイト、かなり好きですし、本気でおすすめしたいです!

そんなリゾートバイトで私が感じた、人間の怖さについてです。※あくまで私の感じたことで、すべてのリゾートバイトやすべての宿泊施設に当てはまることではありません。一個人が感じたこととしてお読みください。

1番怖かったのは、変化について考えなくなることです。

変化をしないのが悪いというのではなくて、習慣化していることが多すぎるために、変化をしようと考える機会が少ないのです。

それはおそらく、「今のままでいい」といった暗黙の了解が、その施設内で染み付いているからでしょう。そしてそれを染み付かせたのは、紛れもなく従業員全員の意識です。それも決して意図的ではない。これが人間の怖さだと思いました。

私は今までのリゾートバイトでは数日しか働いていないのですが、ロボットのように毎日同じ動きをすることしか考えられませんでした。予想かつ実体験ですが、リゾートバイトの施設で変化を起こそうと思えなくなる人は少なくないと思います。

リゾートバイトの募集が多い温泉地などは、閑散期と繁忙期の差がものすごく大きいです。閑散期にはその地域で暮らす従業員の方が働いていて、繁忙期には派遣を追加で雇うような形です。(私がお世話になったところだけかもしれませんが。)しかも、ご高齢の方が多い地域も多いです。

つまり、お客様が違くても従業員の業務内容や構成はほとんど変わらない。人数や特別な要望に左右される程度なので、変える必要もない。もし何かを変えようと考えた人がいても、そこで生まれる手間(特に人間関係のこじれなど)を想像すると、改善しよう、もっと良くしようという動きが少なくなるのです。

具体例をあげます。

前提として、温泉地、観光地などの宿泊施設は、大浴場や夕食・朝食がつくことが多いです。その食事の時間に備えて、業者に頼んでいるいろんな小鉢を並べます。食事中、お茶やお水を入れに行くこともあります。もちろん客室清掃も大変ですが、私のこれまでのリゾートバイトの多くは、食事の配膳と片付けでした。

では、なぜこの面倒な小鉢の皿の盛り合わせを常に出し続けるか?

見た目なのか、伝統なのか、その辺りかなと思ってしまいます。そんなにメリットがあるのでしょうか?

すべての小鉢料理は特別こだわっている、というなら納得できるのかもしれませんが、そうとは思えず…たしかに運ぶときにこぼれにくくていいのかもしれませんけどね…うーん。

それよりも、平日は10人も泊まらない宿泊施設で、突然150人の予約が入ったら小鉢料理で対応していられないと思います。長期休みの時期は毎日が休日のようなにぎわい。だからこそ派遣を雇うのですが、その人件費をかけてまで、小鉢料理がいいのでしょうか? そして、派遣が雇えなかったらどうなるのでしょうか? 予約を断るのかな?

それよりかは、お客さまが喜ぶような団体コースを作って、もっと楽な配膳と洗い物ができる食事を提供することを考えた方が、無駄な人件費(=素人のリゾートバイトへ払う給料)が浮いていいのではないか? その人件費の代わりに、より良い食材を仕入れるなど、その施設の強みづくりに勤しむ方が良いのでは? と思ってしまいました。

また、効率が悪すぎる業務もありました。

ほんの数日しか働かない派遣3人に、食事の配膳と客室清掃の両方をやらせる、というものです。

配膳の位置や客室清掃の順序、備品の場所などはそうすぐに覚えられるものではありません。1人ではできません。いくらプロでも難しいです。それにまず、無知な3人は1からそれぞれの業務について教えてもらわなければなりません。

このときは本当に、頑張って仕事を覚えました。でもどうしても時間がかかりました。つまり人件費が多くかかっているということです。

せめて仕事を分担して、1人が覚える量を少なくすることで勤務時間を調整できたら…。働く側も雇う側もよりハッピーで、施設の質の向上にも繋がるのではないか、と思います。

このように、その施設が何を1番大事にするか、考えた上で(質の悪い可能性がある)派遣を雇ったりメニューを再構成したり…できないのでしょうか?



リゾートバイトでは、業務に多少の不満があったり理不尽なことを言われたりもしました。でもそんなこと関係なくなるくらいに、人の温かさを感じました。プロとして働いていて、見ず知らずの私なんかを受け入れてくれる従業員のみなさん。美味しい賄い。非日常の景色。観光地の豆知識。心を動かされる、素敵なものたち。

特に、従業員のみなさんの魅力に気づきました。おしゃべりして、少しだけ仲良くなって、たまに褒めてもらって、観光地まで車で連れて行ってもらって…そんな関係を従業員の方と作れるからこそ、感じます。変化しようとも考えられなくなる怖さ。

もっともっと、ここの魅力を引き出す方法がありそうなのに。この人たちの良さ、この観光地の良さをもっと伝えたい。私みたいな派遣にではなくて、この場所のために、もっとお金を使ってほしい…私の個人的な願い。施設がそれを求めているかは別として。


都市から遠い観光地では、旅館などがどんどん閉まっています。特に今年のウイルスにより、観光業はより一層厳しく、高齢者の多い観光地では、宿泊施設がもっと減るのだろうと思います。しかも観光地で働く外国人も増えている感覚があります。今後、観光業はどうなっていくのでしょう。

すごいことはできなくても、せめて私なりにできることをします。感じたことを伝える。自由に外出できるようになったら、リゾートバイトで訪れた観光地を巡り、お金を使う。

個々の施設の名前を出すのは良くないので、今後は施設のあった観光地を紹介したいと思います!!


おっと話が逸れました。

リゾートバイトで、人間の怖さを思い知りました。知らないうちに変化について考えられなくなること。今まで通りが1番良いと思ってしまうこと。

居心地が良い場所だからこそ、このままがいいと思ってしまうのは、ちょっと待ったーと言いたくなります。一度でもいいから、本当にこの状態でいいのかな? と考えられたらいいのではないか。私はそう思います。

変化が起きてしまうのは少し怖くても、変化を起こすことはきっと楽しいと思います。理科の実験のようなものです。いろいろ試してみて、うまくいくものを探す過程は、苦しいこともありますがきっとワクワクするはずです。

観光地の人も観光客も幸せになれるような、最善の選択肢に近づけますように。

これまでお世話になった施設に感謝を込めて。


(なんでこんな暗くなっちゃうかなー、と思いつつも、ただ思うことを書きたかったのでよしとします笑)

読んでくださってありがとうございました!

こちらのスペースの確認、ありがとうございます! いただいたサポートが、私のかけがえのない思い出とモチベーションになります😊 具体的には、たぶんチョコを買うと思います笑