安易な相続放棄
「亡くなった父親の未払い通信料を払いたくない」という事で相続放棄したいという男性がいた。今の人々は何の疑問も持たず、簡単に自己破産とか相続放棄とか言い出す。
でも結局その男性は、親族から反対されて相続放棄をやめた。親族らがお金を出し合って、未払い通信料の支払いをする形になったという。
私たちのように昔の人間は、人様に迷惑を掛けてはいけない、世間に恥ずかしいことをしてはいけない、という気持ちが先ず働く傾向がある。もちろん、その傾向が全て良いと言っているわけでは当然ない。自己破産や相続放棄がイケナイと言っているわけでも当然ない。
でも、ある種の最終手段を使う前に、出来ることはないのか?と私のような昔の人間は考える。昔の人間は、少なくとも問題から逃げずに、先ずは問題に向き合おうとしていた。
話を戻して、その親戚らは、債権者に迷惑を掛けるのは信義則に反するとか、世間様に顔向けが出来ず恥ずかしい等から、みんなで協力してできることは行い、亡くなった仏様にも身軽になって冥途に行って欲しいと思ったのだろう。
昔の人間は、やれることは全てやり尽くした。もう八方ふさがりだという状態になるまでは、一所懸命考え続ける。逆に最近の人々は、それではコスパが悪い、さっさとリセットして出直す方が効果的で良いと考えるのだろうか?
しかしコスパだのリセットだのは結局は自分勝手なご都合主義でしかない。多角的な視点や立場から、物事を深く考えることは必要な事だと思うのは老害なのかもしれないが、自分の現実と向き合い、抗うところは抗い、自己責任を全うするメンタルを持ってほしいものだと思う。
そうでなければ、満足した未来も創り出すことができないだろうから・・・
#note #エッセイ #高齢者 #フリーター #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))
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