拡張家族
たまたま入った下町の居酒屋。
居酒屋というより大衆食堂という感じだが、ホッピーもあり、酒もガンガン飲める場所。私はいつも独り飲みなので、バイ貝にホッピーと、なめろうを食べていた。のどかな時が流れていた。
学生というより、社会人一年生といった感じの娘が、独りで刺身を3種類つまみながらハイボールを飲んでいた。まだまだ飲むより食べる方が良いのか、刺身に、天ぷら盛り合わせに、その他いろいろ食べながら、ときどきハイボールのお替りをする飲み方をしていた。
店員が彼女に話しかけると、いろいろ日々の話題を楽しそうに話していた。
その店は大衆食堂なので、時間を外すとそんなに混むということはない。
如何にもソロ居酒屋デビューと思われる若い女性には、ハードルが低く良い店なのかもしれない。
話は変わって、ポケモンGOの拡張現実(AR)ならぬ、「拡張家族」という言葉がある。血縁に縛られず子育てや生活を支え合う共同生活、かつ、異世代を前提とする共同生活ができるシェアハウスが最近増えているので、良いことだと私は思っている。
このような考え方を異世代間交流というが、20年以上前から私は大切だと思って言ってきた。さらに言えば単なる異世代だけでなく、多世代での「協働生活」の視点も含まれて行けば良いと思う。
一人で出来ることは一人で、一人で出来ないことは誰かと、それでも駄目ならみんなで。喜怒哀楽や感動を、共に生活する非家族であっても共有できる社会は、これからもっと必要になるだろう。単なる居酒屋をサードプレイスにするだけではなく、日常の中での交流の幅が多層になると良いと思う。
核家族から孤立家族となり家族崩壊と進む日本の社会に必要なのが、拡張家族という概念と生活形態ではないだろうか。そこには夫婦関係も血縁関係もないが、新しい家族関係があるという新しいシェアハウスによる拡張家族である。
#note #エッセイ #高齢者 #フリーター #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))