山を知らなかった長野県民の話⑥~屋久島・縄文杉 準備編~(旅の参考にして下さい)
「日本百名山の100番目に選ばれている、九州地方の最高峰は何?」
これは、私がたまに観ているQuizKnock(クイズノック)というYouTuberの動画で出てきたクイズ。「この人達の動画、面白いなぁ!」そう思って、動画を片っ端から再生していた時、何気なく目にしたこの問題。
私が屋久島へ行ったきっかけは、これだった。
私はもともと、最南端とか最北端とか、そういった類の言葉に弱い人間だった。そう聞くだけでその場所に行ってみたくなる。"日本百名山の100番目"とはつまり、"日本百名山の中で最南端に位置する山"ということになる。
その山の名前は宮之浦岳(みやのうらだけ)。そして、その山を擁するのは、あの縄文杉で有名な屋久島。
(ちなみに日本百名山最北端の山は北海道の利尻岳。しかし、時期的に雪に覆われる可能性があったため最初から照準にいれていなかった)
最南端の山…というだけで心惹かれるものがあるし、九州の最高峰の山が屋久島という”島”にあるというのも、なかなかイメージが湧きづらくて興味をもった。「宮之浦岳、いつか登りたいな」と思うまでにそう時間はかからなかった。
宮之浦岳や屋久島について調べ始めた。そして、宮之浦岳がなかなかハードな山だということが分かった。ガイドツアーを探したところ、基本的に1泊以上の行程で予定が組まれていて、「かなりの体力を要するツアーです」等という記載が度々見られた。日帰りのツアーもあったが、行程を考えると、いくらガイドが付いているにしても自分に耐えられるかは疑問だった。
時には憧れで突っ走るのも大事だが、突っ走りが事故や怪我に繋がるのが登山だと私は思う。この時、宮ノ浦岳に挑むかはかなり微妙なところだった。
そんな時、私が気になったのが縄文杉だった。
屋久島について調べれば必ず縄文杉の情報が出てくる。ツアーも頻繁に組まれているし、登山未経験の人でもよく参加しているようだった。
気がかりだったのは、自分でも参加できる程度のきつさなのかということ。とあるパンフレットでは体力度5段階中の5と書いてあったり、ツアーのレビューで"なんとかガイドに付いていったが膝が痛くなってしまいかなり大変な思いをした"というような書き込みがあったりと、とにかく不安が掻き立てられた。
とにかくコースの状況が知りたいと思い、好日山荘やL-breath、ゼビオなどに置いてある縄文杉トレッキングのコースや持ち物の概要が載ったプリントを読んだり、Youtubeで縄文杉トレッキングに実際に行った方が撮影したコースの動画を見たりした。
【実際に私が参考にしたプリント。検討してる方はぜひ見てください!】
前半の8キロにも及ぶトロッコの線路歩き、そして後半の2~3時間の山道歩き。それなりに体力を要することは明白だった。
しかし、「しんどいかもしれないが行ってみよう」という結論に至った。山にハマっていった2019年の集大成をこの屋久島にしてみたくなったのだ。
全く無謀な挑戦ではなさそうだったが、後半の階段などのアップダウンが増えるエリアは対策0で乗り込むのはリスクがありそうだと感じた。
また、ツアーに参加するのは私だけではない。ガイドと1:1になるツアーもあるが、多いのはガイド1人に対し5人などのツアー客がつくグループでのツアーだ。私が遅れたせいでグループが縄文杉に辿り着けなかった…みたいなことは避けたかった。そのために私が行ったことは、大きく分けて次の三つ。
①体力をつける
②ドーピングをする
③荷物を最低限にする
①体力をつける
・山に登る
→高尾山に行けるだけ行く。高尾山から繋がっている小仏城山や景信山にも行く。縄文杉トレッキングは、10時間前後の行動時間が予想される。そのため、どんな低山でもいいから、山の中を登山靴を履いて長時間歩くという経験に慣れたかった。
その他にも、
・バスや電車を使わず歩く
・極力、階段や坂を登り降りする
・スクワットをする
②ドーピングをする
→アミノバイタルのゼリー飲料や粉末を服用することで疲労を軽減することができる。
また、モンベルにもアミノ酸の粉末があったので私はそちらを購入した。水に溶かして飲むもよし、粉を直接口に入れるもよし (ただし味は………………)
【アミノ酸粉末を溶かしたいろはすがこちら。なかなかの見た目】
③荷物を最低限にする
基本は、縄文杉トレッキングの概要プリントに乗っている持ち物リストを参考にした。しかし、普段自分の山行では何も考えずにザックに入れている物でも、改めて、今回のトレッキングではこれは必要なのか、別の物で代替できないかなどを吟味して選別した。
例えば、普段はタオルを入れてるけど軽い手ぬぐいにするとか、ニオイが気になるからハッカを普段は入れてるけど今回は抜くとか、山行に支障が出ない程度でなるべく軽くする工夫をした。
荷物が重すぎるとそれだけで身体が痛くなって来たり疲れやすくなったりする。
ただし、抜いてはいけないものとして、
・ヘッドライト…4~5時の早朝出発になるため周囲は真っ暗。必須装備となる
・レインウェア…屋久島は非常に雨が降りやすいので、防水加工の服がなければずぶ濡れになる。上下揃えることを推奨。
・登山靴・トレッキングシューズ…雨で滑りやすくなった木道や岩の上を移動することになるので、滑りにくいちゃんとした靴を履いた方が絶対的に安心。また、帰路の終盤は疲労で足の裏などが痛くなってくるので、クッション性の低い靴を履いてしまうと地獄を見る。値は張るけれど、レンタルで良いから履くことをおすすめします。
また、あったほうが良いものとして、
・トレッキングポール…特に登りや下りの際に補助となる。膝を壊すリスクが下がる
が挙げられると思う。
屋久島では登山用品のレンタル屋さんがいくつかある。ネットから予約できるお店もある。私が利用した山岳太郎というお店では、予約時に一応靴のサイズは入力したが、お店に出向いた際に登山靴の試し履きをさせていただいてサイズの最終チェックをした(飛行機に乗るにあたり荷物を減らすため靴もレンタルした)。
また、ツアーによっては登山靴やレインウェアのレンタルも行っているものもあったので、自分ではまだ持っていない道具があっても安心。
縄文杉トレッキングにこのような事前準備をしていく人が他にもいるのかは分からないが、私は自身の体力への自信の無さから色々と試行錯誤した。
このような準備期間も含め、縄文杉トレッキングは私にとって、この一年の登山の集大成になっていったと思う。
屋久島なので「雨降らないで!」とは言えないが、「ツアー中止にならない程度の天候でいてくれ!!」と祈りながら日々を過ごした。
続く
【記事に載せきれなかったルート概要のプリント】
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