3/13、吸入薬、全般

今日は、吸入薬について教わった。
患者①: フルティフォーム125エアゾール120吸入用/1日2回2吸入、キプレスOD錠10mg/1T分1就寝前の処方。処方より喘息患者であると推測される。フルティフォームはステロイドとβ2刺激薬(LABA)の合剤で、キプレスはロイコトリエン受容体拮抗薬である。この組み合わせはガイドラインのステップ3に相当し、これでコントロールできていると考えられる。
患者②: オンブレス吸入用カプセル150μg/28個/1日1回1吸入の処方。H24.6に咳が出るため風邪と診断され、抗生物質が処方されたが良くならず、同年8月に咳•痰が出るとのことでオンブレス150μg(インダカテロール)が処方され、現在まで同処方が続いており、オンブレスの適応からCOPD患者であると推測される。10年以上オンブレスが変わらず処方されており追加もないことから、β2刺激薬(LABA)のオンブレスのみでCOPDの諸症状をコントロールできていることが伺える。
呼吸器疾患は喘息とCOPDの2種類が主であると教わった。
小児喘息は成長とともに完治する場合が多いが、成人の喘息ではコントロールが必要なことが多い。喘息で発作が起きないように予防的な治療をしていくことが基本であり、薬でコントロールしながら喘息を緩和していくことが目標となる。炎症を抑えるためにステロイド、気管支拡張のためβ2刺激薬やテオフィリン、抗アレルギー薬としてロイコトリエン受容体拮抗薬やヒスタミンH1受容体拮抗薬等が用いられる。ステロイドは非常に強力で、内服では全身に影響してしまい心停止のリスクがあることや、β2刺激薬も直接気管支に作用させたいため吸入薬として服用する。また、β2刺激薬にもSABA(短期間作用型)とLABA(長期間作用型)がある。SABAは喘息の発作時に使用するβ2刺激薬であるが、交感神経系を過度に亢進させ頻脈や動悸などを起こすリスクがあるためあまり推奨されない。そのためステロイド、LABA、抗アレルギー薬の3本柱で長期的に管理することが喘息治療のスタンダードである。ただ、治療を進めていくと喘息の症状が緩和していくため、良くなったからと治療をやめてしまう方もいる。薬なしでもコントロールできているなら良いが、何かの拍子にアレルゲンに触れて症状が出ることもあるので、患者さんの理解も必要である。
COPDは基本的には回復することはないため、これ以上悪化させないことが目標となる。喘息とは異なり、慢性的な閉塞性疾患で可逆性に乏しいため、ステロイドや抗アレルギー薬ではなく吸入β2刺激薬、吸入抗コリン薬、経口徐放性テオフィリンが治療に用いられる。多くの場合では薬がないとコントロールできずに息苦しさを感じたり、悪化してしまうため、コントロールが十分にできていない人では糖尿病注射剤同様に残薬管理をする必要がある。
今回はコントロールが十分にできていて、デバイスの使い方も熟知している患者さんだったため、残薬や吸入の指導の場には立ち会えなかったが、次回以降の患者さんでは教わった知識を活かして服薬指導しときたいと思う。