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中小企業でも導入できるテレワークの方法と必要なツールをご紹介します

 新型コロナウイルスの影響による学校の臨時休校でお子さんを持つ家庭は情報収集や対応などで相当なストレスがかかっていることと思います。子どもの面倒を見るために自宅に留まらなければならない家庭も多いのではないでしょうか。テレワークの環境がきちんと整っている職場であれば、大変な状態に変わりはないものの継続して仕事ができる点ではテレワーク非導入企業と比べると大きなアドバンテージだと思います。

 テレワークを推奨して自宅勤務にしている企業の多くは大手企業であり、中小企業では感染が疑われれる場合、一定期間有給消化して自宅待機を行うことを強いられる可能性もあります。政府の基本姿勢方針では、風邪の症状や37.5以上の発熱が4日以上(高齢者などハイリスク者は2日以上)続いた者が新型コロナウイルスの検査対象となっており、検査結果が出る期間も考えるとまるまる一週間は休まなければならないリスクがあります。

 このような状態であっても、経済の衰退を最小限に抑えることが必要であり、テレワークはそれに備えるための重要な要素だと考えています。そこで、弊社(株式会社シグナイト)のような零細企業、中小企業であっても気軽に導入できるテレワークの方法と、そのためのツールを紹介したいと思います。 

まずは環境を整えましょう

皆さんがお使いのツールは千差万別だと思いますが、シグナイトの例をここではお伝えしたいと思います。弊社では、Google の G Suite を使っているので、Microsoft の Word、Excel、PowerPoint の代わりとして Googleドキュメントスプレッドシートスライドというブラウザベースのアプリを使っています。ブラウザベースというのがひとつの肝で、安価なPCである Chromebook でも使えるのがメリットです。また、GoogleカレンダーGmail なども当然のごとく使っています。ファイル共有の手段としてGoogleドライブ、ビデオ会議用としてハングアウトMeet も利用できるので、Microsoft の Office365 同様、多くのツールがひとつのパッケージとして利用できます。また、G Suite とは別に、チャットツールとして Slack、タスク管理として TrelloAsana などのツールも併用しています。
 ちなみに、G Suite を使うと下のビデオのようにとてもクールなテレワークを実現できます。

デジタル化するぞ!というマインドをセットしよう

 これが一番重要なのに難しいことかもしれません。まずは紙を捨てて徹底的にデジタル化にこだわりましょう。なぜなら、デジタル化というのがテレワークの環境をつくる上で必要不可欠なことだからです。多くの方は従来の方法を変更することに非協力的です。例えば、議事録は紙を使わずノートPCや iPad などで直接デジタル化するか、紙で取った議事録を面倒でもその後Googleドキュメントなどに入力をしてデータで保存をしておくことが重要です。また、客先で手に入れた紙資料などもスキャンしてPDFにし、Googleドライブなど共有できるストレージに保存しておきます。このデジタル化がテレワークの要であることはしっかりと認識しておく必要があります。

カレンダーを共有していつ誰が何をしているかを知る

 Googleカレンダーなどを使って従業員全員とスケジュールの共有をしましょう。カレンダーでスケジュールを共有することで、会議の日程や客先の訪問日などを決めやすくなるだけでなく、いつ誰が何をしているのかを把握することができます。そのため、カレンダーには会議や訪問日だけでなく、どの時間にどの作業をしているかも入力すると良いでしょう。職場と同じように見える環境をつくることこそが、テレワークに必要です。

オンラインでの会議が苦痛でない環境をつくる

 対面での会議と比べると何かと事がうまく進まないのがオンラインでのミーティングです。紙資料は画面越しに配れませんし、回線が弱いと相手とのコミュニケーションが上手く取れずフラストレーションが溜まります。会議室にTVモニターとウェブカメラ、スピーカーマイクロフォンを設置するのがベストですが、初期投資が必要なため、難しい場合はタブレットを使ったり、ノートPCを使うことからスタートするのが良いと思います。資料の配布はデジタル化の項目で言及したように、Googleドライブなどのクラウドストレージを使って共有します。オンラインのミーティング方法やツールについてはこちらで詳しく触れていますので合わせて参考にしてください。

共同編集で遠隔でも同時に作業

 実はこの共同編集ができると極論ミーティングもビデオを使わずに音声だけで事足りたりします。というのも、G Suite で利用できるドキュメントスプレッドシートスライドは、リアルタイムに誰がどこを編集しているのかが視覚的に見えるため、パソコンやタブレットの前に居ればミーティングに参加しているすべての人にどこの話をしているのかが瞬時にわかるからです。また、同様に音声で共同編集をする相手と常時話しながら、自分のパートを編集するということもできます。顧客への提案資料作成などの際に、「自分は提案内容の文章を書くから、あなたはそれに見合った画像を探して貼り付けて」という感じで、共同で作業ができます。

頻繁なコミュニケーションは電話でなくチャットで

 チャットもテレワークに欠かせないツールです。ちょっとした連絡を電話でしてしまうと、相手の作業を止めることにもなりますし、電話で話した内容は議事として残りません。結果、話したことが伝わらず、やはり対面で話したほうがいいよねということになります。そうならないために、連絡内容は常にチャットでやり取りをする習慣をつけた上で、伝えづらい内容は電話でフォローするという利用方法が望ましいです。弊社では Slack を使っていますが、チャットのほか、音声通話、ビデオ通話も行えますので、チャットだけだと伝わらなさそうな時にすぐに音声通話することもできます。

徹底的にタスクを管理して責任の所在を明確にする

 個々のタスクを管理するのもテレワークでは重要な仕事です。特にテレワークでは一緒に働くメンバーの動きが見えづらくなりますので、いつ誰が何をやっているかを把握することが難しくなります。カレンダー共有の項目でも言及しましたが、カレンダーだけでなく、専用のツールを使うことでどのようなタスクや課題が存在していて、いつまでに誰が対応するのかを把握することができます。弊社では、TrelloAsana というタスク管理ツールを使っています。どちらもひとつずつ課題やタスクを登録して、その課題やタスクを誰が担当するのか、いつまでに処理をするのかを明確にできるので、責任の所在も明確になり、相手が見えずとも処理が進んでいきます。ただ、それでも期限を過ぎてしまう課題やタスクも多く出てきますので、それに対応するために定期的に課題やタスクを確認するミーティングを設けて進捗遅れに備えています。

最後に

 ここまで弊社で行っているテレワークのノウハウやツールをご紹介してきましたが、いちばん大事なのはテレワークに価値を感じて多少面倒なことには目をつぶるということです。また、テレワークを導入しても運用がうまくできず諦めるというケースも少なくないと思います。きちんと運用が実施できている企業の人の意見を求めるなど、情報収集も欠かさず行うことが重要です。テレワークの導入や運用に前向きな企業に対しては私の方でも力になれることがあると思いますので、お気軽にコメント等いただければと思います。

Photo by S O C I A L . C U T on Unsplash


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