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kyatapy
胆だめし
スキ
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夏の肝だめしは苦手だった。
たいてい、お盆に、祖父母の家にいとこらと泊まる時、誰かが言い出す。
するんなら来なかったのにと、思っても遅い。いつも、半ベソどころか、本気で泣く始末。ついでに、もらしたことさえある、幼稚園の時。
気がつくと、平気になっていた、肝だめしも、幽霊も。もし、幽霊が出たら、との想像に浮かぶのは、笑みだけだ。
だって、母方のおじいちゃんも、父方のおばあちゃんも死んだ今、何か出てくるなら、そのうちのどちらかだ。だから、こわくない。
今、おじいちゃんが現れて、あいそのない顔でぼーっと立ってたら、私、かえって、うれしい。いつも笑ってたおばあちゃんが幽霊なら、どんな姿でも、私は会いたい。
今も、おぼえてるよ、二人とも。
もうすぐ、また、お盆。
👻 👻 👻
しりとりで、文がつながっています。この企画のおかげで。
ゆっこさん、しりとりして、つくれました。ありがとう。
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詩を書きます。入り口は、朗読でした。朗読会の観客として、それから朗読者として。そして、自分も書くようになりました。書かなかった期間も長いので、Noteにのせることで、詩を書くことをもっと自分の日常にしたいと思っています。