会計データの利活用トーークで話しきれなかったこと(2)

前回記事はこちら

利活用②ステータスとして扱う

利活用その②としてプロモーションでの活用が紹介されていました

会計データは1年単位でデータを確定させなければいけないという制約があります
これは本来納税や収支報告のための制約なのですが、データに締め切りがあるというのはなかなか面白い特性ですよね。

また、確定申告に関しては 3/15 までに提出しなければいけないため、明確な締切日があります(※コロナの影響で日程変更されたケースもありましたが、基本的には毎年3/15です)
確定申告の書類を作成させるためには、前年分の仕訳を確定させる必要があります。

その特性を活かすと、締め処理が完了したかどうかというステータスとして扱うことができます

単なるステータスですが、ビジネス的には非常に重要な意味を持ちます
これをプロモーションとして活用し、適切なタイミングで行動を促しているという活用が面白いなと思います。

利活用③科目推論の教師データとして扱う

利活用その③として機械学習での活用を紹介しました

この取引がどの科目なのかという判断は、簿記の知識が必要となるため、ちょっとハードルの高い作業になります。

また簿記の知識があっても、膨大な取引に対してひとつづつ科目を判断して設定していくのは、かなり骨の折れる作業となります

そこで取引の自動取り込みと科目の自動推論機能を提供することで、取引の仕訳がスムーズに自動でできるよ、という紹介でした。

仕組みとしてはシンプルですが、どの取引が何の科目になるかは人によって・状況によって異なるため、機械学習タスクとしてもそこそこ難易度の高いものになります。

例えば単に「鉛筆を購入した」という取引の事実だけをとっても、それが「何の目的なのか」によって勘定科目は異なります(文房具としての消耗品費なのか、贈呈用の接待交際費なのか、など…)

それをカバーするためにルールベースの設定ができたり、ユーザー単体のデータで学習させたりして対応しています。

科目推論機能は高性能が当たり前、推論できないなら推論しないでくれ、なんて言われてしまうこともあります。。会計士の方など、簿記の専門家の方からすると要求レベルが非常に高く対応するのがなかなか大変です。。
ですがそれも会計データの一つの特徴なのかなと思います

利活用④信用情報として扱う

最後の利活用として、信用情報としての扱いが紹介されました

今までは確定申告・会計ソフトにおける会計データの使い方でしたが、ここでは視点が変わって「銀行からみた事業の信用評価」に会計データを用いよう、という観点になります

※信用評価の結果は銀行が事業への融資を判断するうえでの一情報として扱われます。

会計データは事業のお金の流れの情報の塊です。決算書やBS/PLも信用評価に使われる大きな情報にはなりますが、あくまで決算期時点の集計データのため、期中のお金の流れなど細かい情報をそぎ落としてしまっています

そこで会計データを信用評価モデルの教師データとして活用しよう、という発想になります。なかなか面白い発想ですよね

まとめ

ということでシリーズでお伝えしたかったことを殴り書きしてきました。
語り切れなかったことと言いつつ、ほとんど話していた内容な気もしてきました。

本当はもっと語りたいこともあるのですが、後半の③④に関しては特徴量をそのまま語りだすみたいなことになってしまい、企業秘密に触れてしまうのであえてふわっとさせています。すいません。

ということで最終的に言いたいのは
会計データってすごい!さいこう!!!!

簿記を勉強するのはちょっとハードル高いかもしれませんが、飛び込んでみるとなかなか使い道が多くて面白い領域なので、ぜひ読みやすい本などを手に取ってみるといいと思います。

では。

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