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就活中長期戦略 外資系IT企業

大学で”就職体験記について寄稿してほしい”と依頼があり、最近就活について振り返る機会があったので、この記事を書いて記録として残しておきます。就活生の皆さんに対して自分の就活に対する考え方が少しでも参考になればと思います。

はじめに

学歴:地方国立大(偏差値50~55くらい)、工学部

内定先:外資系IT企業

今年は約20名ほどが内定を受け、私以外の内定者は東大京大、早慶など都市部の大学院卒ばかりで気後れするところもありましたが、すばらしい仲間と春から一緒に仕事ができることを楽しみにしているところです。

多くの方が3年の夏から開始する具体的な就職活動内容については、他の記事を参考にしていただくとして、私は学生時代全体における中長期的な目線での活動と就職への道のりについてお伝えしたいと思います。


起業を目指した活動から得た視点と行動

そもそも私は企業への就職を目指しておらず、自ら起業することを目指して2年次から様々な活動を行ってきました。まず県内外の企業へ出向いて経営者の方々にお話を伺い、会社の設立から営業活動や経営についての情報収集と知識習得を継続して行ってきました。

お話を伺う中で私たちが普段見ているのとは違う「世の中の見え方」を見せていただくことができました。さらに我々が大事だと思っていたことがあまり重要ではなかったり、逆に不要だと思っていたようなことが重要であったりという、今までの価値観が入れ替わるという体験は貴重なものでした。

多くの経営者と面談を重ねる中で、業種業態や規模の大小に関わらず企業の事業活動を支える共通の要素があると感じました。それは、“会計”、“IT”、“英語”です。

全ての会社経営は売上や利益納税のために簿記を基礎とした会計の知識が必須ですし、コミュニケーションや物流会計人事システム等の経営基盤としてITシステムの優劣は経営陣の意思決定を正確かつ確実に支えることで会社の将来を左右します。また事業規模の程度の差はあれど英語を使ったコミュニケーション力がグローバル市場での競争力を維持するのには必須といえるでしょう。

これら3つの要素について従来の知識レベルで到底通用するとはいえず、また大学のカリキュラム等でそのギャップを埋めることは難しいと判断し、より高いレベルの知識の習得と経験値を上げることに取り組むことを決めました。

しかし、ただやみくもに勉強に取り組もうとしても途中で挫折する危険性もあるため、資格試験の合格を目標にして学習を進めました。それぞれ日商簿記検定試験、情報処理技術者試験、TOEICを具体的に取り組む内容と決めて学習計画を立てて行動していきました。


情報収集の一環のつもりで受けた会社に内定

3年の冬に法人登記を済ませ、会社設立に至りました。友人らが就職活動を開始しているのを横目に、私は自社の経営計画立案に注力していました。

情報通信関係での起業を目指していたため、大手IT企業などがどのような人材を募集し採用しようとしているのかを研究するため、試しに自らも大手外資系のIT企業にエントリーしてみることにしました。

エントリーシートでは在学中に起業を目指して活動していた内容を記載し、またオンライン面接でも起業に関することなどについて質問を受けました。

就職活動に特化した準備を事前にしていたわけではありませんが、自らが行動してきたことを自分自身の言葉で丁寧に説明することができました。面接では特に緊張することもなく対応できたのは、起業準備活動の際に多くの経営者の方と面談を重ね、目上の方とのコミュニケーション回数を増やしていた結果だと思います。

また最終面接でも“会計”、“IT”、“英語”という分野に集中して自己研鑽に取り組んだところも高い評価をいただき、思いもよらず内定をいただくことができました。

当初起業準備を目的として活動していたことが、結果として想定外にハイスペックな会社への内定を得られたことに結びついたわけですが、「自ら行動し結果成果を出し続ける、出し続けようと努力する」という特性はどんな業種職種であっても、また起業就職に関係なく、我々が社会から必要とされる素養であると思います。そしてそういった力は日々の計画と行動を継続することでしか自分の力にならないことも強く感じました。


自己分析企業分析に必要な「論理思考力」

就職活動期によくあるのが、「自己分析」と「企業分析」です。よくある自己分析用のアンケートや性格診断を受けて自分自身を知ったつもりでいたり、各種人気企業有名企業ランキングなどインターネットやSNS上のコンテンツを見て企業研究としていたりすることが多いと思います。しかし、そもそも私たち自身が自分や企業を“分析する力”を持ち合わせているでしょうか。

分析の対象となる要素の定義づけや評価の枠組み基準などのある程度の分析力を持ち合わせていないと、稚拙な結論しか導き出せません。

分析力を鍛えるのには論理思考力のトレーニングが大切です。ただしビジネスフレームワークを習得するといったテクニック的なものではなく、“具体と抽象”、“演繹と帰納”など基本的な部分のトレーニングを何度も行い、脊髄反射に落とし込めるようにすることが必要です。

論理思考力に関する良書に何冊かあたり、自身の“思考のクセ”を認識し、正しい論理思考力と自分との乖離を把握した上で、日々のコミュニケーションや考えに反映させていきましょう。

まずは目の前の事象を鵜呑みにするのではなく、「それって本当?」「違う方法はないか?」のように前提を疑い思考の偏りに気づくような“問い”を常に自身で投げかけ続けるとよいでしょう。

思考力と分析力を高めることで、質の高い自己分析企業分析の結果が得られ、就職活動をより確度の高いものにしていくことができます。


活動を継続するための仲間をつくろう

大学以外の学習を開始継続させたり、正解のない活動を維持し続けたりするのは、一人では挫折してしまうかもしれません。個々の目標は違っていても、活動を継続していこうという価値観を持つ仲間をもつことが重要です。そういった価値観を共有できる仲間を学内外問わず見つけて互いに切磋琢磨できる環境をつくるのが活動を継続させるための仕組みとして必要だと思います。


活動の質を高めるメンターを持とう

大学生同士の情報交換やSNS、インターネットによる就職採用に特化した情報収集だけでは「採用」という偏ったフィルターがかかったものばかり眼に入ってくるため、判断を誤るリスクがあります。

そこで30代から50代の社会人、特に経営者など利害関係のない方と話をする機会を積極的につくることをおすすめします。余計なフィルターをかけない“活きた生の声”を聞くことで、判断に迷った時に的確なアドバイスをもらったり見えていなかった部分を指摘してもらったりすることができると思います。


まとめ

万人共通の正解がない就職活動では、様々な不安や恐怖、諦めや絶望といった場面に遭遇することも多々あると思います。内定を得た後でも本当にここでよかったのか?と思うこともあるでしょう。それらの多くは“自分自身が信用できる自分”をもつことで払拭することができると思います。就活時期になって付け焼き刃の対応で慌てることのないよう、今日から自分自身への正しい投資を始めていただくことを強くおすすめします。

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