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オンライン中心の「新しい働き方」における1on1ミーティングのコツ

リモートワークやテレワークなどの、オンラインを中心とした「新しい働き方」では「自律(セルフマネジメント)」と「協働(チームワーク)」がこれまで以上に求められます。
その一方で、「新しい働き方」でのマネジメントは「メンバーの体調面・業務面のコンディションがわかりづらい」「関係の構築やチームビルディングが難しい」などの課題があるようです。
今回は、オンラインを中心にした「新しい働き方」における1on1ミーティングの進め方をご紹介します。

「1on1ミーティング」(以下1on1)とは、上司が部下の主体的な内省を促す目的で行う、人材育成の手法です。

「新しい働き方」では、オンラインでのコミュニケーションが中心となるため、メンバーの体調を把握したりコンディションを確認したりすることが難しくなります。
オンラインで行う毎週の1on1ではまず「コンディション確認」を行いましょう。モニター越しでの観察を意識して行う必要があるため、メンバーの発言だけでなく、話しているトーンや表情なども意識して捉えるようにしましょう。
その上で、「進捗確認」「振り返り(内省)」「ネクストアクション」の確認を行っていきます。

「新しい働き方」における、1on1の5つのステップ

Step1:コンディションを確認する
まずは部下の体調面・マインド面について質問することを習慣化しましょう。
(例:「体調はどうですか?」「気持ちの面で変化はないですか?」「私からは〇〇さんが安定して業務を行えているように見えますが、どうですか?」)

Step2:話すテーマを決める
その日の1on1で、どんな話題を扱い、その話をすることでどこに向かいたいのかを上司と部下とで一致させておくことがとても重要です。
(例:「きょうは何を話したいですか?」「何を話すのがよさそうですか?」「〇〇について話したいということですね」「他にも話したいことはありますか?」)

Step3:進捗確認をする
扱うテーマが決まったら、進捗確認を行います。上司はメンバーがどんなことを考えているのか、また感じているのかを、意見を挟まず、否定することなく最後まで受け止めます。
聞き終えたら、メンバーにより考えを深めてもらうために、別の角度からの問いかけをしてみてもいいかもしれません。
(例:「進捗についてはSlackでも共有してもらっているので大丈夫そうですか?」「なるほど(あいづちを打ちながら聞いていることを伝える)」「〇〇をしていくということですか?(確認する)」)

Step4:行動を促す
部下が考えていること、感じている課題が見えてきたら、上長から行動を促します。
「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」の3つのアプローチがあります。
(例:「感じている課題について、もう少し具体的に話してください」
「〇〇という方法でやってみたらどうでしょうか」「今回のファシリテーションは、前回と比べると、より自信をもって立ちふるまっていたように見えました。」)


コーチング:質問を通じて相手の自発的な行動を促す
ティーチング:知識やスキル、問題の解決方法を、相手に教えることで行動を促す
フィードバック:他者をよく観察し、気づいた事実を率直に伝える

Step5:メンバーが必要とするサポートを確認する
具体的な行動が決まったら、必要とするサポートを確認します。このときに、上長から協力できることがあれば、明らかにしておくことも重要です。
(例:「提案ですけど、来週、過去同じようなときにどうしていたかをお互い持ち合ってみませんか?」「他には話したいことはないですか?」)


そして、1on1が終了したら、どのようなテーマで話したのか、さらに所感や今後の対応をメモしておくことで、定期的に行う1on1の質が高まっていくはずです。

(イラスト:アフロ)

【関連リンク】
「1on1ミーティング」で強い組織をつくる 人材育成のための部下とのコミュニケーション(Yahoo! JAPANコーポレートブログ)
部下育成の効果的な方法「1on1ミーティング」の経験学習サイクル(Yahoo! JAPANコーポレートブログ)
1on1のティーチングとコーチングは、部下のスキルに応じて使い分ける(Yahoo! JAPANコーポレートブログ)
「部下の自発的な行動を引き出す」1on1のコーチングとは(Yahoo! JAPANコーポレートブログ)

(イラスト:アフロ)