見出し画像

Yahoo!カーナビリブランディングの舞台裏

こんにちは、Yahoo!カーナビ デザイナーのきくちです。

実はYahoo!カーナビは昨年リブランディングを行い、プロモーションに用いるWebページやバナーのデザインを少しずつ変更していました。

ビフォーアフターはこちらです。

画像2

画像3

画像11

お気づきになった方はいらっしゃったでしょうか?
今回はそのYahoo!カーナビのリブランディングについての舞台裏をお話ししたいと思います。

1. これまでのYahoo!カーナビの問題点

そもそもリブランディングする前のカーナビのブランディングってみなさんご存知でしょうか?
実はこれまではしっかりとした指標がなく、各々のデザイナーの経験と裁量でクリエイティブを作っていました。

そのため「デザインの統一感がない」「ブログなどの言葉遣いすらバラバラ」などの様々な問題が発生していました。
こういった問題を解決するため、2019年夏頃に「今後のユーザーコミュニケーションのためにブランディングしよう」と決まりました。

2. 方向性を決める

まずカーナビが目指すべき方向性を決めるために、デザイナーやサービスマネージャーたちで集まりブレインストーミングをしました。
各々「カーナビはユーザーにとってこういう存在になりたい!」というのを付箋に書いていき、似ている付箋をグルーピングしました。

方向性ブレスト

リブランディングの前にカーナビ開発メンバーで意識していたのは「安心」「安全」です。
これからはそれに加えて「カーナビがあれば怖くない」「頼れるパートナー」というところを目指したいねという話になり、最終的に「信頼」「お守り」というキーワードがでました。

ここからはこのキーワードをもとにブランド・アイデンティティを決めていきます。

3. ブランド・アイデンティティを決める

ブランド・アイデンティティとはサービスがユーザーのみなさまから「こう思われたい」と想っているものを表現したもので、ブランドの約束であり価値です。

ブレストで出た「信頼」「お守り」というキーワードをもとに、デザイナーで6つのムードボードを作成しました。

画像11

(画像:アフロ)

この中からどれがより目指したいイメージに近かったかをカーナビメンバー内で投票してもらいました。

最初の投票では By your Side と BE a AIR が同票となり、より具体的にリブランディング後の姿をイメージするため、いろんなクリエイティブにブランディングを適用してみました。

By your Sideのクリエイティブイメージ

画像5

(画像:アフロ)

BE a AIRのクリエイティブイメージ

画像6

(画像:アフロ)

この2つを見た上で再度投票を行い、最終的に

 By your Side(あなたの側にいます)

 が一番目指したいイメージに近いね、となりました。

ただBy your Sideのイメージカラーはご覧の通り執事のようなイメージで黒を基調としています。

ムードボード_黒

(画像:アフロ)

これだとこれまでのYahoo!カーナビのプロモーションで使っていた色とはガラッと色味が変わるため、さすがにユーザーのみなさまも戸惑うのでは?という懸念がありました。

そのため同じBy your Sideでも、執事のようなキチンと着飾ったかしこまった人物ではなく、白いTシャツを来た清潔感と包容力のある優しいイメージの方が、より目指したい方向に近いのでは?という話になりました。

それをもとに白をイメージカラーとした新しいムードボードがこちらになります。

ムードボード_白

(画像:アフロ)

これでブランドの約束であるブランド・アイデンティティが固まりました。

4. ブランド・パーソナリティを決める

ブランドが決まっていない時は「ブログなどの言葉遣いすらバラバラ」という問題点がありました。そのためブランド・パーソナリティというものも決めることに。

ブランド・パーソナリティとは「そのブランド独特の個性を人間の人格に例えたもの」のことです。
これが決まれば「この人格ならこういうこと言いそう!」や逆に「こんなことは言わないよね」というのも自然に見えてきます。

「By your Sideにふさわしい人格はどんなのだろう?」というのをカーナビメンバーに聞いて回り、「丁寧な印象だよね」「頼り甲斐がある感じ」「清潔感がある」などのカーナビの人格の印象がどんどん形成されていきました。

そしてカーナビのブランド・パーソナリティが

思わず寄りかかりたくなるような、有能で信頼できる人

に決まりました。

5. ブランド・ガイドラインを決める

ブランド・アイデンティティとパーソナリティが決まりました。これだけ指標が決まればデザイン要素などもガイドラインとして定義できます。

色・フォント・イラストや言葉遣いなどのガイドラインを作成し、カーナビメンバーに共有しました。

画像8

画像9

画像10

(Yahoo!カーナビ Brand Guidelinesより抜粋)

これでカーナビメンバーがブランディングという指標のもとで同じ方向を向き、長年の課題であったデザインや言葉遣いの統一感のなさが解消されるはずです。

6. これからのYahoo!カーナビ

冒頭で書いたように昨年ブランディングが決まってから徐々にブランディングを適用したクリエイティブを出していき、今年の4月にはブランディングにのっとってプロモーションページやバナーなどをリニューアルしました。

リニューアルしたプロモーションページはこちら

もちろんこのnoteもブランディングを意識して1つ1つの記事が執筆されています。

今後も By your Side を胸に、みなさまに「信頼」される「お守り」のようなYahoo!カーナビを目指していきます。
noteの記事やバナーなどを見かけた際には「ちゃんとブランディング守られているかな?」という観点でも見てもらえると嬉しいです。

長文お付き合いいただき、ありがとうございました!


※記事の内容は公開時点での情報です。最新状況とは異なる場合がありますのでご了承ください。