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2度目の胡蝶蘭咲いた!!「やったね」と言われているみたい。

10ヶ月前、夫が亡くなったときお悔やみに胡蝶蘭をいただいた。

米国のコロナ禍でのこと、葬儀どころではなかった。自宅で息を引き取った夫は数時間後には葬儀屋さんが連れに来て、家族がたちあうことなく火葬され数日後に遺灰となった夫を迎えに行った。

以来、遺灰と胡蝶蘭はいっしょに置いてあげた。優雅で美しい姿を楽しませてくれたが、しばらくすると夫の命が終わったときのように、少しずつ枯れていき、花は全て落ちてしまった。

「美しさもはかないものだなぁ」とちょっぴりさびしくなった。

葉だけになった鉢をどうしようかと思いあぐねたが、葉は元気そうだったので、日当たりのいいところに置いて「そのうちまた咲いてね」と話しかけながら週に一度、冷凍庫から氷を3個取り出しては鉢の根本に置いてあげた。

「2度目咲かせるのはけっこう難しいよ」って聞いていたし、ミシガンの冬では日当たりと言えど、あまり日光はあたらない。内心はだめかもと思いつつも「でもいつかは咲いてくれるかも」と半分だけ信じていた。

娘の家から新しい家に戻るときに、何の反応も見せない葉だけの鉢は置いてこようかと迷ったけれど、夫の遺灰とセットのような気がして、いっしょに連れて来たのだった。

明るい場所に置いて、相変わらず金曜日には氷を3個あげた。

少し前から、つぼみらしき部分がどんどん膨らみだしたので、これはイケるかもとわくわくしてきた。

そしたら今日、花が綺麗に咲いた。

タイミング的に今になって咲いたことが、「もうだいじょうぶ」ってメッセージにも思える。いや、いつもわたしを支えてくれる家族や友人たちみんなへの労いかな?

人がひとり亡くなることで、ほんとうにたくさんの煩雑な手続きが必要だった。各種保険、年金、銀行口座、車、家など登記や権利書類etc……ありとあらゆる書類の提出やら、全ての名義も変えなければならなかった。だれもこんなこと好きな人はいないと思うけど、正直うんざりだった。

ここは米国、あたりまえだけど書類はみな英語。わたしにとって全てが初めての経験。加えて未だコロナ禍の影響で、開いていないオフィスもあり、アポ取りも簡単ではなかった。つい先週、亡くなって10ヶ月めにして、やっと州のセクレタリーオフィスで車の名義変更の手続きができたところだ。

数日前には、夫の名義で借りていた建築ローンを、わたしと息子の名義で新たな住宅ローンとして組み直すことに成功し、銀行との契約を終えた。これで毎月の支払いはずっと楽になる。😄

亡くなった夫が遺したモノやコトの、配偶者として負うべき責任の全ての名義変更と精算が終わったところで、胡蝶蘭が咲いてくれたことに、「リセット完了」を祝ってくれているような気がする。

亡くなってからつい最近まで、夫のいない世界で生きていくことができるのかと、精神的にも経済的にも不安で押し潰されそうだったけど、少しずつ少しずつ、ちゃんと解決策がみつかって心配ごとはなくなった。

不安が消えたところで、咲いてくれた胡蝶蘭。

まだつぼみもあるので、これからしばらくは優雅な姿を楽しませくれるのだろう。心から、咲いてくれてありがとう。感謝😘


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