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リーダーシップ

リーダーシップの基本的フレームワーク

ヒトをマネジメントするということは?

  • 経営資源となるヒト、モノ、カネ、情報の4つの中で、感情や意思を持っていて自ら成長できる資源はヒトだけである

  • どんなに立派な経営戦略があっても、それを実行するのはヒトであり、ヒトが適切に実行しないとどんな理想も実現できない

  • 未来は分析ではなく意志の対象であり、ヒトの意志が未来を創る

  • ヒトという資源は想像以上のプラスを生み出すことができる

  • 「やらなければならないこと」を「やりたい」と思わせるようなリーダーシップが重要

  • 人は信頼してくれる人を信頼する

  • ポジティブなフィードバックを返して動機づけを行うことが大切

  • 相手に応じた動機づけのボタン(インセンティブ)を探して押すことが大事

リーダーシップのフレームワーク

  • リーダーシップ理論の変遷

    • 特性理論:リーダーは生まれつき(昔の考え方)

    • 行動理論:リーダーは育成可能

    • 条件適合理論:リーダーシップの有効性は状況に依存

      • VUCA 時代の考え方

      • 正解がない中で何を重視するか、最後は意思も大事に

  • パス・ゴール理論

    • 部下の目標(ゴール)を達成する前の道筋(パス)を示す

    • 環境要因と部下の適合要因に応じたリーダーシップ行動

    • 有能なリーダーは部下の目標を達成するまでの道筋を示し、必要な方向性や支援を与える

    • 4つのリーダーシップ行動

      • 指示型:何を期待されているかを部下に教え、すべき仕事のスケジュールを設定し、タスクの達成方法を具体的に指導する

      • 支援型:親しみやすく部下のニーズに気遣いを示す

      • 参加型:決定を下す前に相談し彼らの提案を活用する

      • 達成指向型:困難な目標を設定し、部下に全力を尽くすように求める

    • 2つの状況変数

      • 環境要因:市場競争、経営体制、組織文化

      • 部下の適合要因:自立性、経験、能力

リーダーが陥りがちな罠

  • 視野狭窄

    • 担当分野の部分最適に陥り、全社的視野を持てない

    • リーダーとして成長するあらば、経営視点は不可欠

    • 周囲から高い評価をうけている状態は「油断」や「隙」が出やすい

    • 同一業務歴が長くなると慣性から置かれた環境に染まり、周囲や全体に対する注意力が散漫になりうる

    • 「忙し過ぎる」状態は、こなすことに懸命で、思考停止や盲目的行動に陥りやすい

    • 視座を高く、視野を広く

  • 感情

    • 変革の摩擦や問題のほとんどは感情を発端とする

      • 思い入れのある仕事に関しては、防衛的・感情的になり、大切なことを見失う

      • 噂に翻弄され、正確な事実確認に基づかず判断することで、思考のバッドサイクルに陥る

      • 情動が先行し、自分の置かれた立場の意味を見誤る可能性がある

      • 変革に対し感情的に反対してしまう

    • 感情マネジメントは大切

      • 「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない。」ユリウス・カサエル

      • 他責の言動:Victim Statement、困難に直面すると問題の要因を外に求めがち

      • 感情の揺れに支配されると誰でも持ち味を活かせなくなる

      • Emotional Derailment、感情をセルフマネージできない要因は、元来強みであった特性が高いプレッシャーの状況で自身の変化・開発を阻害する要因に

        • 自信 ---> 傲慢

        • 興奮 ---> 感情のムラ

        • 分析思考 ---> 注意過剰・リスク回避

        • 健全な批判 ---> 不信・ネガティブ

        • 冷静沈着 ---> 過剰な完璧主義

        • 人の機微への繊細さ ---> 嫌われることの回避

リーダーが陥りがちな罠にはまらないために

  • 経験の中から自分に必要なものを学ぶ

    • 困難な状況から学ぶ

      • リーダーとしての行動の有効性は集団の特性や集団が直面している状況に依存する

    • 挑戦的な目標から学ぶ

    • 他者、周囲から学ぶ

    • 研修などから学ぶ

  • 感情マネジメント

    • アンガーマネジメント

      • アンガーマネジメントは、「怒り」そのものを感じなくさせたり、一方的に抑えこんだりするようなものではなく、「怒り」と上手に付き合い、感情をコントロールすることにより、人間関係を円滑にし、業務パフォーマンスを向上させるといった効果が期待される。

    • 冷静に事態を把握できるようにする

      • 発想転換のためにモードチェンジする機会を作る

    • 人と話す:直接の利害関係がない人や同様の問題意識を持っている人に相談してみる。メンターを作る。

    • 時間をとる:意図して冷却期間を作る。あえて忘れる時間を作る。日記を書くなど言語化してみる。一週間を省みる時間を作る。

    • 場所を変える:非日常の場所でリフレッシュする。新しい着想を求めに行く。

    • 自問:自分の思考を問い直すフレーズを用意する(座右の銘)、自分がリーダーとして果たすべき責任は何なのかを問い続ける

    • 感情を引きずらず、たまには休んでリセットする

企業経営とリーダーシップ

リーダーとマネージャーの違い

  1. マネージャーは管理し、リーダーは革新する

  2. マネージャーはコピーし、リーダーはオリジナルである

  3. マネージャー維持し、リーダー発展させる

  4. マネージャーはシステムと構造に焦点をあわせ、リーダーは人間に焦点をあわせる

  5. マネージャーは管理に頼り、リーダーは信頼を呼び起こす

  6. マネージャーは目先のことしか考えず、リーダーは長期的な視野を持つ

  7. マネージャーは「いつ、どのように」に注目し、リーダーは「何を、なぜ?」に注目する

  8. マネージャーは数字を追いかけ、リーダーは未来を見据える

  9. マネージャーは模倣し、リーダーは創造する

  10. マネージャーは現状を受け入れ、リーダーは現状に挑戦する

  11. マネージャーは優秀な軍人であり、リーダーはその人自身である

  12. マネージャーは決められたことを正しく処理し、リーダーは正しいことをする

リーダーシップ

  • 人と組織を動かす能力

  • 変革を推し進める

  1. 長期的ビジョンの提示

  2. メンバーの統合

  3. メンバーの動機づけ

マネジメント

  • 管理する能力

  • 効率的に組織を運営する

  1. 短期的な計画 / 予算立案

  2. 組織構造設計 / 人材配置

  3. 予実管理 / 問題管理

経営戦略の階層

  1. 企業理念:使命(ミッション)・信念・誓約・価値感(バリュー)

  2. 企業ビジョン:あるべき姿・将来像

  3. 全社戦略:ビジョンを実現するための手段・道筋

  4. 事業戦略

  5. 実行計画

衰退の5段階

  1. 成功から生まれる傲慢

  2. 規律なき拡大路線

  3. リスクと問題の否認

  4. 一発逆転の追求

  5. 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

謙虚さがなくなる14の兆候

  1. 時間に遅れがちになる

  2. 約束を自分の方から放り出す

  3. 挨拶が雑になりだす

  4. 他人の批判や会社の批判をしだす

  5. すぐに怒り出す(寛容さがなくなる)

  6. 他人の話を上調子で聞き出す

  7. 仕事に自信ができて勉強をしなくなる

  8. ものごとの対応が緩慢になる

  9. 理論派になりだす(屁理屈を言う)

  10. 打算的になりだす

  11. 自分が偉く見えて他人が馬鹿に見えてくる

  12. 目下の人に対してぞんざいになる

  13. 言い訳が多くなる

  14. 「ありがとう」という言葉が少なくなる(感謝の気持ちがなくなる)

変革のプロセス

  1. 解凍:メンバーに新たな変化の必要性を理解させ、安定した均衡状態とも言える現状を突き崩し、変化に向けて準備をさせる段階

  2. 変革:変化のための具体的な方策を取り入れ、変化の方向に向かって新たな行動や考え方を学習させていく段階

  3. 再凍結:新しく導入した変化を定着させる段階

変革の8つのステップ

  1. 危機意識を高める

  2. 変革推進チームをつくる

  3. 適切なビジョンをつくる

  4. 変革のビジョンを周知徹底する

  5. 従業員の自発的な行動を促す

  6. 短期的な成果を生む

  7. さらに変革を進める

  8. 変革を根付かせる

山本五十六の名言

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

習熟度とマネジメント・スタイル

  • 低位:タスク志向:何を、いつ、どうして を示す

  • 中位:双方向的コミュニケーション:サポート

  • 高位:最小限の関与:目標を設定しモニターする

リーダーシップスタイルの転換

  • 命令指示型からエンパワーメント型へ

  • 権限を委譲する側:目標の明示、支援、結果責任を果たす

  • 権限を受ける側:執行責任を果たす

  • 「信頼」「承認」「任せる」ことで、自己効力感と自己決定力が向上する

エンパワーメントのメリット

  • チームや組織へのメリット

    • 現場が指示を仰がなくてもスピーディーに意思決定と対応ができるため強い組織になる

  • 部下にとってのメリット

    • 裁量が与えられることにより、モチベーションを高めることができる

    • 自分で考えなければならないので、意思決定能力が向上する

  • 上司にとってのメリット

    • 部下に任せられる仕事が増えた分、より高度な業務に集中できる

リーダーが果たすべき任務

  1. 成果をあげること

  2. 人材育成をすること:人は経験から学び育つ。経験させるために仕事を任せる。(エンパワーメント)

エンパワーメント1:外部環境と全社戦略の認識

現在の環境と将来のビジョンを見据えて、実行すべきタスクかどうかを考える。

エンパワーメント2:目的・ビジョンの共有

合意形成をしっかり行う

  • 今から何をするべきかわかる

  • やるべきことに対するイメージを持つことができる

  • 情報が双方向で、合意形成(納得)ができる

初期動作(初動)で手を抜かない

  • 何を(目標)、何のために(目的・効果)やるのか、やらないデメリットを具体的に共有する

  • 同時に優先順位、制約条件、判断基準などもしっかり共有する

  • 共有は受け手が理解・共感できる言葉を選ぶ

良い目標設定のためのチェックポイント

  • 目標そのものについて

    • 目標の意義や目的が伝わるか?

    • 目標の具体的なイメージが伝わるか?

    • 定量的(測定が可能)な目標が設定されているか?

    • 達成するのにチャレンジを伴う目標になっているか?

  • 目標設定・浸透のプロセスについて

    • 意見を求めているか?

    • 背景と理由を説明しているか?

    • 具体的な期待を示したり、相手にとっての意味を伝えているか?

    • フィードバックを絶やさずに与えているか?

エンパワーメント3:対象者の把握

相手の状況を理解する

  • 能力:経験、実績、知識、視点、手順など

    • これまでにどんな経験をした?

    • そこから何を学んだ?

    • 成功体験は何?

    • 成功の鍵を3つあげると?

  • 意欲:気構え、志向、感情、体調など

    • あたな自身はどうしたい?

    • 将来、どんなことをやってみたい?

  • 特性:性格、嗜好、得手不得手の意識など

    • どういう仕事がこれまでで一番自分が輝いていた?

    • 今まで働いてきて尊敬できる上司はだれ?

相手のおかれた状況を確認する

  • 目的、目標、時間軸など制約条件の共有度(視座の高さ、将来の見通し)

    • 自分が部長だったらどうする?(視点の高さ・広さを問う)

    • この仕事をやり遂げる上で何が困難になる?(将来を問う)

エンパワーメント4:アサインメント

アサインメントの前提

  • 達成までのシナリオを動画イメージで描いてみる

  • その業務の特性を考える

  • 役割を与えるメンバーの能力・資質を再確認する

  • 対策を俯瞰的、客観的に診断できているか考える

エンパワーメントが難しい業務

  • 他部門にも影響を与えるような業務

  • 緊急度が極めて高く、リスクや生産的な逡巡による学習を許容できない業務

エンパワーメントによるリスクの増大とその対応

  • エンパワーメントのときに、環境要因と部下の適合要因を見誤るとリスクを更に増大させることになる。

  • エンパワーメントを実施しても結果責任は上司が負うことになる。エンパワーメントする前に、自身が責任を負いきれるか、リスクのインパクトをしっかり勘案する。

  • 上司のコントロール外で業務が行われることが多くなるので、管理手法が必要となる。

    • 数値診断、経営理念、行動基準、情報共有

エンパワーメントのプロセス管理のチェックポイント

  • リーダーに「結果責任」、一方で、メンバー自身にも「執行責任」があることを自覚させているか

  • リーダーとして、不測の事態に対する心の準備があるか

  • 要所要所で、こちらの熱意・本気度・関心をメンバーに伝える、最大限の努力をしているか

  • 実行を担うメンバーの、自主性と動機付けを強く意識しているか

成長を導くフィードバックのチェックポイント

  • メンバーに自己評価をさせているか

  • メンバーの苦労、喜びに共感を示しているか

  • 良かった点、改善が必要な点をそれぞれ具体的かつ的確に指摘できるか。また、その際の評価の軸は明確か。ブレていないか。

  • 何が悪いかでなく、どうすれば良いかの視点で考えているか。(良い悪いは評論であって育成ではない)

  • 改善が必要な場合、具体的な行動計画に落とし込み、そしてフォローしているか。(考え方では行動は変わらない。行動が変われば考え方が変わる。)

失敗との付き合い方

  • 問題が生じたときに如何に解決できるかがリーダーの腕の見せ所。トラブルは必ず起きるもの、そこで何をするかに存在価値がある。

  • 速やかに事実を性格に把握し、現実を受け入れる。必要なアクションを取って事態を収集させる。

  • 個人のミスに焦点をあてた責任追及よりも、構造的な問題把握に努める。(感情をはさむことなく分析的に部下の失敗に対処する)

  • リーダー自身の失敗がああれば率直に認め、それを教訓として伝える。

  • 失敗(経験)を振り返り、失敗から学ぶ。許される失敗と許されない失敗を峻別して教える。

エンパワーメント5:コーチング・動機付け

フォローのタイミング

  • 頻度・スケジュール・内容をあらかじめ合意しておく

  • 意図したものと違ったアウトプットに対する対応に留意する(本人の意欲維持と指導・管理のバランス)

エンパワーメント6:支援

対象者が能力を発揮できるような環境・諸条件を整備する

  • 権限の及ばない、組織的な問題の解決

  • 目的を達成するための人的資源のアサイン

  • 意思決定の条件の明確化 など

エンパワーメントの十か条

  1. 任せようとしている仕事はエンパワーメントするのに適しているか(仕事の重要度、仕事の緊急性)

  2. 相手の状況、能力、やる気を正確に把握しているか

  3. 部下の育成という視点で捉えたときに、エンパワーメントする目的は明確か

  4. 問題が起きたときに責任をとる覚悟ができているか

  5. 部下の権限が及ばない部分(部門を超えた話など)に関しては、適切なフォローができる体制にあるか

  6. 明確な目的(何のために)と期限(いつまでに)が共有できているか

  7. 「何を」「どのように」については、自由度があるか(プロセスに部下をコミットさせることでやる気を高めているか)

  8. 成果に対する判断基準は示されているか

  9. 仕事について、頻繁にコミュニケーションがなされているか

  10. リスク対策はできているか

エンパワーメントのまとめ

  • エンパワーメントは人を活かすマネジメント技術。適切にエンパワーメントを行うことによって、組織としての成果と部下の育成とが可能になる。

  • エンパワーメントの留意点

    • 目的・目標の共有

    • 部下の能力・意欲の把握

    • 適正な仕事の提供(アサインメント)

    • 業務に取り組みやすくするためのコーチング、動機付け

    • 環境の整備および支援(組織文化との適合)

  • エンパワーメントによって増えるリスクの軽減に向け、上司には、数値診断、経営理念、行動基準、状況共有による適切な管理と結果責任を果たす心構えが必要となる。

ニーズ理論:マズローの欲求5段階論

  1. 自己実現的欲求:創造的業務:内的に満たされる欲求

  2. 自尊的欲求:高い肩書き、責任ある職務:内的に満たされる欲求

  3. 社会的欲求:良好な人間関係、信頼のおける上司:外的に満たされる欲求

  4. 安全的欲求:安全な職場環境、業務上の安全性:外的に満たされる欲求

  5. 生理的欲求:温度・空調:外的に満たされる欲求

ハーズバーグの動機付け・衛生理論

  • 仕事への満足やモチベーションに関する要因(動機付け要因)は、仕事への不満足を生み出す要因(衛生要因)とは別物とする考え方

  • 低次欲求:苦痛を避けようとする動物的欲求

    • 監督方法、給与、対人関係、作業条件、福利厚生 など

    • 衛生要因(不満がない状態へ)

  • 高次欲求:心の奥底にある成長しようとする人間的欲求

    • 達成、承認、仕事とそのもの、責任、昇進 など

    • 動機付け要因(満足へ)

  • ハーズバーグの動機づけ・衛生理論|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

目標設定理論

  • 目標という要因に注目し、モチベーションの違いは目標設定の違いによってもたらされる、という考え方

  • 目標管理 (MBO: Management by Objective) の理論的背景

  • 目標の困難度:挑戦的だが高すぎない適度なストレッチレベル

  • 目標の具体性:定量的 / 曖昧ではなく具体的イメージが湧く内容

  • 目標の受容:本人の合意を尊重した設定プロセス

  • フィードバック:目標達成の過程でのタイムリーなサポート

職務特性理論

職務における5つの特性がモチベーションを左右する

  1. 技能多様性:多様な知識・技術が必要な仕事か?

  2. タスク完結性:一連の業務を最初から最後まですべて任されているか?

  3. タスク重要性:意義や価値の高い仕事だと思えるか?

  4. 自律性:自分のやり方で仕事を進めることができるか?

  5. フィードバック:仕事の結果・成果の反響や手応えが感じられるか?

Motivation Potential Score
MPS = (技能多様性+タスク完結性+タスク重要性)÷3×自立性×フィードバック

期待理論

人は、努力すれば満足のいく結果を得られると期待できる場合にやる気になる、という考え方

  • 努力によって相応の成果が得られるという期待

  • 達成した成果が様々な報酬に結びつくという期待

  • 報酬自体の魅力

マッキンゼーの 7S

企業戦略における要素の相互関係をあわらしたもの。
各要素がお互いを補い、強め合いながら戦略の実行に向かうことが重要。
7S|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

ソフトの 4S

  1. Shared value (共通の価値観・理念)

  2. Style(経営スタイル・社風)

  3. Staff(人材)

  4. Skill(スキル・能力)

ハードの 3S

  1. Strategy(戦略)

  2. Structure(組織構造

  3. System(システム・制度)

組織変革のマネジメント

フレームワーク

組織変革の開始

  1. ファクトを整理する

  2. 外部環境を分析する

  3. 内部環境を分析する

  4. 売上構成の特徴を確認してこれからの市場を考える

  5. 市場の状況、KBF、そして KSF を考える

  6. 過去の施策を 7S で整理する

  7. 環境変化を踏まえて課題を明らかにする

  8. 中長期的に発展するための方向性を定め、変革の意思決定をする

組織変革の序盤から中盤

  • 大きな変革を成すときは、組織変革のステップをしっかりと踏む

  1. 危機意識を高める

  2. 変革推進チームをつくる

  3. 適切なビジョンをつくる

  4. 変革のビジョンを周知徹底する

  5. 従業員の自発的な行動を促す

  6. 短期的な成果を生む

  7. さらに変革を進める

  • 戦略が効果を発揮できるように、社内の 7S で整合するように働きかける

  • 状況に応じて採るべきリーダーシップ行動を選択して実行する

    • 序盤:指示型、トップダウン、ハード 3S への施策 

    • 中盤:支援型、エンパワーメント、ソフト 4S への施策

組織変革の中盤以降

  • 人の働くモチベーションは「文化」から来ている

    • 達成しようとする目標や、喜んでくれる人々や、会社へのエンゲージメントの度合いから生まれる

  • 社会問題を自社の強みで解決し、経済的価値と社会的価値を同時に実現する、共通価値の戦略を追求する

    • 企業が積極的に社会に参加することは経済的な利益にもつながる

    • 企業の価値は企業の評判。良い評判があれば良い人材が集まり良いイノベーションが生まれる。

  • 株主への還元は目的ではなく結果とし、短期的な視点よりも長期的な視点で経営する

  • 一度立てた戦略や目標よりも、より大きな目的に照らして、適宜、ピボットやリフォーカスするなど、柔軟に転換を図る

  • 難しくても正しい選択をすることを意識する

  • 決断して物事を前に進めることを大切にする

チーミング

イノベーションを生むチームへの変革

  • イノベーションとは「新結合」のこと

    • 既存のもの同士を組み合わせて新しい価値を生むこと

    • 顧客や社会に良い変化をもたらすこと

    • 新製品開発だけではなく、新しいプロセスやマーケットの開拓などもイノベーションの一種

  • VUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity) の時代では持続的な成長が難しいため、イノベーションをし続ける必要性が増している

効果的なチーム

  1. 経営陣との関係が適切、チームへの権限移譲が進んでいる

  2. 現場との関係が適切、チームとの接点が多く、協働している

  3. チーム構成

    1. 個人のスキル

      1. 技術的・専門的知識

      2. 問題解決・意思決定のスキル

      3. 対人関係のスキル

    2. チームのスキル

      1. メンバースキルの相互補完

    3. 高い凝集性

      1. 目標や価値観の共有

      2. 目標達成へのコミットメント

  4. チーム運営

    1. 目標の明確化

    2. 目標、情報の共有

    3. チームの行動規範の確立

    4. 役割、業務分担の柔軟性

チームの発展段階

  1. Forming:チームが形成される「形成期」

  2. Storming:議論、緊張、衝突の生まれる「激動期」

  3. Norming:構成員が規範を作り出す「規範形成期」

  4. Performing:チームとして機能する「実現期」

  5. Adjoining:チームが解散していく「終了期」

チームが失敗から学ぶためのアプローチ

  1. 失敗に気づく

    1. 問題を報告した人を歓迎する

    2. データを集め意見を求める

  2. 失敗を分析する

    1. さまざまな専門分野から人材を集める

    2. 体系的にデータを分析する

  3. 意図的な試みを行う

    1. 試みとそれに伴う失敗にインセンティブを与える

    2. 心理的障壁を取り払うような言葉を使う

    3. 学習のために知的な失敗をデザインする

Google のチームの効果性についてのリサーチ

チームの効果性に影響する因子の内、心理的安全性が最も重要度が高い
The five keys to a successful Google team

  1. 心理的安全性

  2. 相互信頼

  3. 構造と明確さ

  4. 仕事の意味

  5. インパクト

心理的安全性

「心理的安全性」とは、チームのメンバーが、何かしても他のメンバーから罰せられたり評価を下げられたり刷ることはないと感じられる雰囲気のこと

  • 心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていない。

  • 自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを肥料したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があると感じる。

  • 新地的に安全な環境では、厳しいフィードバックを与えたり、真実を避けずに難しい話し合いをできる

  • 自分の間違いを認めたり、手助けや情報を求めることができる

  • そうした信念は、人々が互いに信頼し、尊敬し合っているときに生まれる

心理的安全性のメリット

  • 率直に話せる

  • 考えが明晰になる

  • 意義ある対立が後押しされる

  • 失敗に向き合いやすくなる

  • イノベーションが促される

  • 他者からどう評価されるかの不安が取り除かれる

  • 責任感が増す

心理的安全性を高めるリーダーの行動

  • 直接話しのできる、親しみやすい人になる

  • 現在持っている知識の限界を認める

  • 自分もよく間違うことを積極的に示す

  • 参加を促す

  • 失敗は学習する機会であることを強調する

  • 具体的な言葉を使う

  • 境界を設けメンバーに責任を負わせる

心理的安全性とは?チームの生産性を最大化するうえで意識すべきこと|グロービスキャリアノート

リーダーのツールキット

  1. 土台をつくる

    1. 仕事をフレーミングする

    2. 目的を際立たせる

  2. 参加を求める

    1. 状況的謙虚さを示す

    2. 探究的な質問をする

    3. 仕組みとプロセスを確立する

  3. 生産的に対応する

    1. 感謝を表す

    2. 失敗は恥ずかしいものではないとする

    3. 明らかな違反に制裁措置を取る

チーム変革の進め方

  • 失敗を学習に転換する仕組みをつくる

    • 少しずつ継続的に良くしていく実験アプローチの採用

    • 小規模で独立した実験を行い、失敗の因果関係を明確にして次の実験にフィードバックする

  • 実験を奨励する前提として、リーダーはメンバーに心理的安全をもたらすことが重要

  • 分からないことに満ちた環境では、リーダーはメンバーを重要な意見をくれるパートナーとして扱う意識が必要

参考文書

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