解雇されそうになっているはなし

突然だけれど、会社を解雇されそうになっている。まだこういうのを書く段階ではないし、若干のタイムラグがあるのだけれど(常に数日分のストックを持っているため)、とりあえずいまの状況を書いてみる。
 
僕はいまの会社に、約4年前に転職してきた。もともと、いまの会社のグループ会社(100%子会社ではなく、一部出資しているだけ)に新卒で入社し、転職サイトやハローワーク経由ではなく、社長に直接コンタクトをとる形で入社を決めた。

入社当初は、他の人たちがやる仕事と同じ仕事をやっていたが(既存事業)、すぐに会社の新規事業を同時に任された。当時から、前職でそれなりのキャリアがあったので、新入社員ながら、やっていることはマネージャークラスの仕事をやっていた。
 
新規事業は、今までの既存事業の延長線上には「ない」もので、全く異業種といっていいものだった。でも、未経験・未知の世界なりに、いろんな人脈を辿ってコネクションをつくり、一歩一歩コマを進めていった。

それでも、もともとの目標が「無謀」といえるほど常識外れなもので、撤退のルールなども特になかったため、ダラダラと数年間、新規事業が進んでいくような形だった。

やればやるほど、成果に繋がる道が見えにくく、モチベーションも下がっていった。でも、撤退の提言をすれば、自分の評価を大きく下げられることは目に見えていたため、知恵を振り絞って、なんとか前に進む道を探っているような状態。本当にしんどかった。

ある日(一ヶ月ほど前だ)、社長からあることを突然告げられた。新規事業を、会社から切り離して、新会社に移行すると。そして、僕がその代表取締役になれ、ということだった。

朝、社長がくるなり呼びつけられ、デスクの前でそう言われた。その時間、たったの三分ほど。以前から、大事なことほど、雑に伝える人ではあったが、そのときのその時間の短さは群を抜いていた。
 
そのまま、しばらく業務が忙しかったこともあってその件は流れていたのだが、新会社の設立の進捗を促されて、いろいろと調べることにした。

当然、会社設立の経験はなかったため、定款や資本金のことなどを調べた。そして当然、自分の一存で決められることではないので、社長にメールで質問をした。
 
そこではじめて、割と衝撃的な事実を告げられる。資本金は、うちの会社から100%出資の子会社だと思っていたのだが(うちの事業を分離させるのだから当然)、全く関係のない第三者が、半分出すという。

しかも、その金額もどちらも、新規事業の想定する事業規模からすれば、ありえないほど少額。そして、驚くべきことに、社長は、その新会社に対して、僕からの出資も求めてきた。10万から100万円のあいだで検討してほしいという。

僕はその会社の従業員として「雇用」されているつもりだったので、その提案には驚いた。知識がないのでよくわからないが、労使の関係を超えているのではないかと思った。そして、役員報酬も自分で決めていいという。

それって、会社の事業分離というか、ほぼ僕個人の起業みたいになってないか……? と思った。そして、足りない分はクラウドファンディングなり、出資者を募るなりして自分で集めろという。とんでもない話だと思った。
 
そしてさらに驚くべきことに、僕の雇用もそちらに移行する、とのことだった。つまり、当社の株式が50%、そしてまったく関係のない会社が50%持っている会社に、僕は移行するということになる(自分が出資したら、いくらかは割合が変わるが)。

もはや労働者ですらない、ということだ。これは驚いた。事実上、僕は解雇されたに等しい状態に、いきなりなったからだ。
 
あまりに驚いたので、父に電話したら、それは明らかにパワハラだし、労使の関係を超えているということだった。僕は労基に行くべきかな、とすぐに思った。
(続きます)

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