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住宅ローンを計算して「遊ぶ」

以前の記事でも何度か書いているが、家を買おうと思っており、最近は活発に活動している。土日は物件の内見をしたり、不動産仲介会社と交渉したり。けっこう大変だが、これまで経験のないことではあるし、いろいろと勉強になるので、それなりに楽しく取り組んでいる。

物件の内見自体は以前からやっていたのだが、そろそろ本格的に決めたいというのがあり、「決める」前提で物件を見ている。なので、必然的にお金の話がどうしても絡んでくる。今までも、なんとなくこれぐらいの予算で、という感じでは見ていたものの、借り入れ審査などのプロセスについての知識は浅く、なんとなく避けていた。

というのも、何千万円というレベルの借金をして、何十年もかけて返していくというのはどう考えても憂鬱なイベントなので、考えるのを無意識に避けていた、というのもあるかもしれない。

なので、住宅ローンについての本を何冊か読んでみた。

ほか何冊か。

やや偏りはあるかもしれないが、何冊か読んでみることで基本的な知識は深まった気がする。研究してみると、思っていたよりは複雑じゃないかも、と思えてきた。

住宅ローンについては返済方式に種類があり、金利についても「固定金利」と「変動金利」がある。細かいところまで書いていくとキリがないので割愛するが、入り口のあたりで検討すべき要素は確かに多い。

住宅ローンを考えるうえで検討指標となるのは「金利」である。銀行からお金を借りて、それを返していくわけだから、当然利息を乗せて返す必要がある。しかし、金利というのは利率なので、それが何%と言われたところで、感覚的には比較しようがない、というのがある。

たとえば金利が0.3%と0.4%の住宅ローンがあったとして、0.1%の違いがあるのはわかるけど、実質的に何がどう変わるのか? というのはイメージしにくいのだ。

そういう状況を助けるために、住宅ローンのシミュレーターというのがある。銀行のサイトなどに組み込まれており、そこに借り入れ資金や金利、返済年数などを入力していくと、毎月いくらを支払い、総額でいくらになるのか、ということを計算することができる。

が、サイト上のシミュレーターはいちいち入力するのが面倒だし、カスタマイズすることもできない。そこで、奥さんにエクセルで住宅ローンシミュレーターを作ってもらった。

エクセルで作ってからグーグルスプレッドシートで共有

計算には結構複雑な式もあるのだが、住宅ローンを組むために便利な関数なども用意されており、比較的簡単にできたようだ。しかし、手早くパパッと作ってくれたのはありがたい限り。

金利の比較って、感覚的にはできない。前述の通り、金利が0.1%違うからといって、何がどうなのか、というのはわからないからだ。なので、「最終的にアウトプットされる金額」で比較するのがわかりやすい。

ちょうど、PayPay銀行がこんなキャンペーンをやっていた。

https://www.paypay-bank.co.jp/mortgage/ad/sem.html?r=HLCAGT0101&c=bt_z_j&aatc=hl_jnb_f_flp_gaw_cpc_at_al_004366&gad_source=1&gclid=Cj0KCQjwmMayBhDuARIsAM9HM8cgXR12MGe6D5UtauH_4-EVxD85aNasoyHsvc-gy3TPPnsoDkjZKVIaAksEEALw_wcB

⚫︎自己資金を10%入れるなら、年利0.315%
⚫︎それ以外なら、年利0.380%

とのことである。年利0.315%となると、ほかの銀行と比較しても結構いい金利なので、おお安い! となる。自己資金を10%入れるというのは、つまり物件購入価格の90%以内にする、という意味らしい。なので、たとえば4000万円の家なら、3600万円の借り入れにする、ということである。

要は、購入時に400万円のキャッシュを突っ込むことが必要、ということだ。400万円は大金なので家計のキャッシュフローにとっては結構打撃である(しかも、購入時の諸経費でも300万円とかかかるので、その場合、合計で700万円の支出)。

もちろんうちも貯金はいくらかはあり、突っ込もうと思えば突っ込めるが、一時的にキャッシュが減るといざというときに困るし、リフォームなどの諸費用が別途かかる場合は対応できなくなってしまう。

しかし、年利0.315%の金利は安いので、魅力的ではある。こんな場合、どうやって判断すればいいか。

こういうとき、前述の手製シミュレーターに数字をぶち込んで計算してみると比較がしやすい。

4000万円を35年ローンで借りる場合……

・年利0.315%のとき、月々の支払いは10万0597円
・年利0.380%のとき、月々の支払いは10万1726円

こうして数字を並べてみるとよくわかる。月々の支払いに直すと、約1200円しか変わらないのである。もちろん、35年間の総支払い額では差が生じるが、それでも計算してみたら約47万円だった。35年間で47万円ということは、一年で1万円ちょっと得する、というところだろうか。

確かに得ではあるけれど、「400万円のキャッシュをいま突っ込むほどのメリットか?」と考えてみるとどうだろう。それだったら、400万円を手元にとっておくほうがいいと考える人も多いのではないだろうか(僕だったらそう考える)。

引越し前後はなにかと物入りなので、キャッシュはなるべく多めに手元に残しておきたい。そうやって、具体的に考えていくことができるのである。

実際に住宅ローンを選ぶ段階になったら、リスクはあるが安い変動金利か、リスクはないが高い固定金利かどっちかで悩むんだろうな、と思っていたのだが、これについては考えてみたら結論が出た。

変動金利はその名の通り時とともに変動していく金利ではあるが、「5年ルール」「125%ルール」というものがあるらしい(*それを適用しているローンに限る)。

「5年ルール」というのは、変動金利は変動するとはいえ、月々の支払いは5年間は固定だということ。「125%ルール」というのは、変動幅は前回の支払額の125%まで、ということ。

いままさに住宅ローンの金利はあがっているので、タイミングとしてはあまりよくない、というのはあるかもしれない。しかし、住宅ローンは何十年も付き合っていくものなので、その長い時間の中では上がることもあるだろうし、下がることもあるだろう。そのへんの条件はイーブンな気がしている。

いま市場に出ている住宅ローンの金利の中では、当然ながら「35年固定金利」が最も高い。調べてみた銀行では、年利で2.18%だった。確かに、変動金利と比べると比較にならないほど高い。

しかし、これもシミュレーターに入れてみると、最も安い変動金利と比べても月々の支払いは1.3倍ほど。であれば、変動金利にしつつ、固定金利の金額になってしまうことを最悪の事態として想定し、差額を貯金しておけば、変動金利の上昇幅に備えられるのではないだろうか。それが有効な対策といえそうだ。

なので、変動金利での月々の返済に加えて、毎月4万円ほどを住宅ローンの変動リスクのために貯金していけば、十分対応できるな、と思った。余った金額はそのまま老後の資金にまわせばいいので、それはそれでいい意味はあるな、と。

いろいろ書いたけれど、住宅ローンについて深掘りして研究していくと結構楽しいな、と思った。自分たちの懐事情と、ライフスタイルと、考え方に合った選び方をしていきたい。

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