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努力の方向性を間違えてませんか?

プロゲーマーの梅原大吾の動画を見ていて、「努力の方向性」についての話が面白かった。

動画の主旨を簡単に要約するとこうなる。質問者は漫画家を目指していて、現在アシスタントの仕事をしているらしいのだが、アシスタントの仕事が激務で、かつ要領が悪いので自分の創作の時間に充てることができず、かつアシスタントの給料だけでは食べていけない、という状況らしい。まさに八方塞がりな状況である。

これに対して、梅原大吾からのアドバイスは的確かつ具体的だった。まず、いまのアシスタントの仕事で食べていけないのであれば、いますぐにいったんそれを辞めろ、と。まだ仕事にできるレベルに到達していないから、というのが理由だ。仕事にするのが早すぎる、というのである。

そのうえで、「努力の仕方」について話しているのが印象的だった。梅原によれば、努力には4つの方法があるのだという。

まず最初は「見る努力」。うまい人のやっていることをとにかく見る。漫画だったら、できればプロの先生がどうやってそれをやっているかを見れればベストだが、完成品を見てもいい。とにかく、一流のものを見まくる。

次は「聞く努力」。自分よりできる人、下の人でもいいので、とにかく聞く。わからないことをわかるまで聞くことによって、上達は早まる。

次は「やる努力」。これはもう実際にやってみる。漫画だったら、実際に漫画を描いてみる。量をこなしていく、ということである。

最後は「考える努力」。これら3つを実践していくうちに、思ったことを考えて、軌道修正していく。とにかく、この4つをやっていくことが大事だ、と。

確かに、僕も「努力」と聞いて、漠然と千本ノックをやったり、素振りをしたりといった根性的なものを思い浮かべてしまうが、この4つの努力というのは結構具体的だし、いろんなものに応用が効くな、と思った。

実際、梅原大吾はプロゲーマーだが、一時期は麻雀の世界で食べていこうと考えていた時期があったと著書に書いてあったのだが、麻雀のうまい人のプレイを朝から晩まで見続けていたのだという。この4つの努力を続けながら、試行錯誤をしていたのだろう。

「間違った努力」で思い出すのは、やっぱり学生時代である。受験勉強というのは面白いもので、ある種のコツがあり、要領のいい人と悪い人では顕著な差が出る。同じクラスで、ひたすらに教科書にラインを引いたり、付箋を貼ったりしているやつがいたのだが、不思議とそれほど成績はよくなかった。やっぱり努力の方向性を間違えていた、ということになるのだろうか。

努力の方向性を見極め、自分に足りない努力を知るというのは大切だ。そして、本当の努力というのは少なからず「しんどい」ものだと思う。

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