見出し画像

「形から」入らない

noteをめぐっていると、新しい趣味を始めた、と興奮ぎみに書かれている記事を見かけたりする。特にクリスマスシーズンや、正月などのシーズンは、「新しいことをはじめたい」と考える人が多いようだ。

特に、アメリカのブラックフライデーセールなどの習慣が輸入されたことにより、この時期は年末商戦の色合いが以前よりも濃くなっている気がする。僕も趣味のひとつにしているDTMデスクトップミュージックはプラグインと呼ばれるソフトウェアがこの時期は大幅割引になることで知られており、結構ここで散財する人もいるだろう。

特に買う予定がないのに、そういったリストをつい眺めてしまうことが多い。

新しい趣味をはじめるとき、結構気前よくお金を使う、という人はそれなりにいるだろう。自分はそういったタイプではないのだが、結構よく見かけるので、それなりに世の中にいるものと思われる。

そういう人たちの理屈は、最初にお金をたくさん払うことによって、退路を断ち、続けるしかなくなるから、らしい。しかし本当にそうかな? と思う。「楽器を弾けるようになるとモテるらしいから、ギターをはじめよう!」といきなりそれなりに高価なギターを買って、そのまま押し入れで埃をかぶっていたりする人はいないだろうか。

自分は、どんなに高級なものを買っても、やりたくないものはやらないタイプなので、「まず最初に投資をして追い込む」というのが無効である。それこそ、高級なギターを部屋の隅で埃をかぶらせるタイプだ。

自分が最初にギターを買ったのは中学二年のときで、島村楽器で売っていた一番安いエントリーモデルを購入した。確か7000円ぐらいだったと思う。アンプがないと音がでないので、やはり3000円ぐらいのアンプを買って、それを使って弾いていた。最初は毎日練習していたので、少しずつできることが増えていった。

そのうち、もっと高価なのが欲しいと思って、3万円ぐらいのやつを買った。最初からいいものを買うのではなく、きちんと習慣化してから新しいものを買うほうが、自分はモチベーションがあがるタイプだ、というのをこのとき知った。

ドラクエだって、FFだって、最初からすごい武器を持っているわけではない。最初は棍棒とかで戦っていたのが、最終的には伝説の武器とかになる。そういう変化を楽しむのもいいじゃないか、と。

これができるようになったらもっといいものを買う、というほうが、連続性があり、モチベーションを維持しやすいのではないかと思う。

そういえば、僕は読む本もいわゆる「積ん読」はしないが、基本的にはこの考え方だからかな、とも思う。新しい本をたくさん買うのではなく、読んだ分だけ新しいものを買う。たくさん本を買ったからたくさん読む、というものでもないだろう、と。

モチベーションの高めかたは人それぞれかもしれないが、わりとこの考え方は自分にはしっくりくる。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。