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理不尽な質問

新社会人の定番の悩みとして、「業務について先輩に質問するべきか、せざるべきか?」というのがある。僕は就職して最初の職場がバリバリの現場肉体労働だったので、そこまでこの問題では悩まなかったような気がするが、noteやブログなどを読んでいると、たまにこの手の悩みに悩んでいる人がいるので、なんだか初々しく思ってしまう。

そういえば、前職のときに入社したばかりの新卒と話していたときも、そこが結構悩みどころだ、というようなことを言っていたような気がする。
 
仕事についてわからないことがあり、先輩に質問しに行くと、あるときは「それぐらいは自分で考えて」と言われるし、またあるときは「なんでもっと早く聞きにこなかったの?」と言われる。結局、聞いても聞かなくても怒られるので、理不尽だ、ということらしい。


 
「なぜもっと早く聞きにこなかったのか」、という問い。これは純粋に、無駄な時間を費やして、明後日の方向に仕事が進んでしまったことを諌めるときに使う。

たとえば、一週間の納期の仕事があったとして、初日や二日目で方向性を合わせていればよかったものを、最終日になってはじめて聞きにきたりするようなもの。そこからリカバリーするのは、本人の力だけでは当然不可能なので、周囲の人間がいろいろとバックアップに動くことになる。思わず口からそのセリフが出てしまってもやむなしだろう。

また、聞けば数秒で解決するような単純な問題に対し、半日を費やしたりしていても、そう言いたくなることはあるように思う。
 
「それぐらいは自分で考えて」はどうか。わからないから聞きに行ったのに、そっけなくそう返される。まあ、そうやって返される場合は、自力でそれを解決することを期待されている、ということになる。

つまり、手助けをしてやってもいいのだけれど、手助けをするとその人のためにならないと思うから、あえて自力でやらせている、というパターン。これは、バイトと正社員など、明らかに職務上の差異がある場合はあまり発せられない言葉で、後輩などを自分と同等のレベルまで引き上げたいときに発せられるように思う。

もちろん、その人の成長を願っているからそう声をかけているわけではなくて、シンプルにそのレベルの仕事を期待しているから、ということなのだが。


 
でも、こういう問題にぶちあたって「理不尽だ」と感じるかもしれないが、実際のところ、仕事を進める上ではなかなか初歩的なことなのかな、という気もする。30歳をすぎて、転職をしてきた人でこのようなことで悩む人はあまりいないだろう。

「誰も答えを持っていないもの」に関しては自分で考えるしかないし、「誰か知っている人に聞けばすぐに解決するもの」は聞いてしまえばいいからだ。コツといえば、実はそれぐらいしかないのかもしれない。

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