見出し画像

なぜ依頼された仕事をやらない人がいるのか

「依頼された仕事をやらない人」について書かれた記事を読んだ。

世の中には、依頼された仕事をやらない人がいる。たとえば会社で、気持ちよくディスカッションをして、「じゃあ、次までにやるべきことはこれ。次の会議で進捗を報告してください」と結ぶ。

しかし、その「次の会議」になっても、期待された成果物が完成していないどころか、着手すらしていない、という人がたまにいる。もちろん、忙しくて、など、それらしい理由はついてくる。だが、着手されなかった、という事実は変わらない。

もちろん自分も例外ではなく、さすがになんの成果物もない、ということはないのだが、着手するのがかなり遅かったりして、ギリギリの滑り込みセーフで仕上げる、ということが多々ある。前々から、これはなんとか改善できないものかと思っていた。


 
自分の経験に照らしていうと、なんでもかんでも着手が遅れるというわけではなく、「やらなければならない仕事ほど、重要な仕事であればあるほど」着手が遅れる傾向にある。

もちろん、これは非常によくない。放置してしまったら、結果として一番苦労するのは自分なので、最終的には着手するものの、どうもはじめは重い腰があがらない。なぜなのだろうか。
 
少し自己分析してみると、「やらなければならない仕事は、着手したら最後、逃げるわけにはいかない」というのが精神的なプレッシャーとしてあるかもしれない。

要するに、締め切りが迫っている場合には、着手してしまったら、「締め切りが迫っている」という現実に直面することになるので、適当に切り上げて本でも読むか、ということにはならない。ある程度は目処の立つところまで進めなければならない。

その覚悟ができるまでは、「あとちょっと、あともうちょっと……」、と先延ばししてしまうことになる。もちろん、そんなことをしても苦しむのは自分自身なのだが。
 
あと、結果が出るのが怖い、ということもある。特に、ある程度クリエイティビティを求められる仕事の場合、着手したはいいものの、アイデアが全然浮かんでこなかったらどうしようとか、ボツを食らったらどうしようなど、ネガティブな方向につい意識が向いてしまい、なかなか気が進まない、ということもある。


 
しかし、これはプラスの側面もあり、何があろうともとにかく着手して、とりあえず仕上げてしまう、というのが正しい姿勢だということがわかる。世の中には、幸いにも「仕事に着手しない人」が一定数いるのだから、とりあえず仕上げてしまうだけでアドバンテージがある、ということだ。

まあ、それができたら苦労しない、ということもあるかもしれないが。
 
昔、村上龍が「仕事は淡々とやるもの」と言っていたが、まさにその極意がそれなのかもしれない。とんでもなくいい仕事をしてやろう、みたいに肩に力が入っていると、プレッシャーが大きくなって、いい仕事には結果として繋がらないのかもしれない。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。