テレビぎらい
僕は基本的にあまり物欲がないほうだとは思っているのだけれど、テレビをほとんど見ないからでは、という気がしてきた。
僕は小さい頃からあまりテレビが好きではなく、当然ながら大人になってから突然好きになった、ということにもならなかったので、家にテレビは一応あるものの、ほとんど見ることはない(朝、NHKをつけるのが日課としてあるが、例外的である)。
たまに外出先などで民放の番組を見ることがあるが、不思議な気分になる。番組に出演しているタレントが、大袈裟なリアクションをしたりしているのを見たりすると、なんとなく同情してしまうことが多い。
食べ歩きの番組などが多いように思うが(別に最近にはじまったことではないと思うが)、番組を盛り上げるためにとにかく大仰にリアクションを取らなければならない。別に心底感動しているわけでもないだろうし、ちょっと笑いもとったりしなければならないので、これを長年の仕事にしていくのはなかなか大変だろうな、と思った。
テレビをほとんど見ない僕でも名前を知っているタレントが出演しているので、それこそ四六時中テレビに出演しているのだろう。まあ、本人も好きでやっているのだとは思うが、自分なら、相当ギャラが高くてもあんまりやりたくはないな、と思ってしまう。
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テレビは番組の合間にテレビCMを流して、その広告収入で成り立っているビジネスモデルだけれど、番組を内容のなかに、特定の商品やサービス、人物の宣伝が含まれているものが目立つ。つまり、CM部分のみならず、そもそものコンテンツ部分も宣伝がメインになっていたりするケースもあるわけで、全く人をバカにしてるな、と思う。
僕の場合は「テレビ嫌い」がわりと入っていたりするから、ちょっとフェアな視点ではないかもしれないが、番組の中身もCMも宣伝だらけ、というのはちょっとひどいと思う。
世の中の人の物欲というのは、当然自分が「欲しい」と思ったものを買うわけだけれど、「何が欲しいか」というのも、こういう仕組みによって巧妙にコントロールされているような気がする。
極端な話、テレビを一切見なければ、世の中で何が流行っているのかもわからないので、それが欲しいと思うこともない。まあ、それが僕にとっては標準の状態なので、別にそれがどうだと言うつもりはないのだけれど、「世間では何が流行っているのか」などを気にしながら、煽られながら生きていくのもなかなか大変だな、と。
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でもさすがに、そういったテレビの戦略にも気づいた人は多くいて、だからこそ視聴率というのは以前と比べると落ちてるのでは、と思う。あと10年、20年経ったときにどう変わるか、というのも関心がありますね。
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