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chatAIで神と対話できるようになるのか?

最近話題になっているchatGPTを使ってみた。

お絵かきAIであるmidjourneyを使い始めたときは、discord(チャットツール)の設定に少しだけ手間がかかったけれど、chatGPTは本当に何もいらず、ただアカウント登録をするだけで利用することができた。作業的には、gmailアカウントを作るよりも簡単だった。

いろいろな質問をしてみたのだが、現時点ではまだまだ「オモチャ」の領域を出ないな、というのが率直な感想である。

何か質問をすると、自然言語で返答が返ってくる。内容は文法が正確で、こちらの意図を汲んでいるように見えるのだが、細かくみていくと、実際は誤った知識もかなり含まれている。なので、少なくとも現時点のバージョンでは実用にはならないな、というのが正直な感想だ。

もっとも、これはいずれ技術の進歩とともに解決するだろう。本質的に違和感があったのはそのあたりではない。

気になったのは、当たり前だが、どの質問も「一般論」で返してくる、ということだ。たとえば「痩せたいです」という質問をすると、「痩せるには運動と食事制限が必要です」みたいな一般論が返ってくる。当たり前かもしれないが、正解がない答えは返すことができないらしい。

これは、例えば人間相手だったらどういう返答を返すだろう。つまり、「痩せたいです」と言う人は、「本当に、痩せる方法がわからなくて質問してきている」わけではないのだ。相手が求めている意図が必ずある。

つまりメタ的に、「なぜこの相手はこういう質問をしてきているのか?」の意図を汲む必要があるわけだが、このあたりの配慮は、当然ながらchatAIにはまだできない。

人生相談というジャンルがあるが、コンテンツとしては非常に人気である。これは、知識がたくさんある人ではなく、有名人であればあるほど人気を博す。

有名な人だと、キャラが確立しており、それなりに実績を積んでいるため、その人らしい答えを求めて質問者は質問するため、コンテンツとして成り立つのだろう。

先日、イチローがインスタライブで質問に答える、という企画があり、かなり話題になっていた。

イチローはそれまでの経験を踏まえて、独特な回答を返してくれる。このレベルの返答は、たとえ情報があってもchatAIには不可能だろう。なぜなら、chatAIには「人生経験」がないからだ。どんなことを言ったとしても、説得力がない。

そのほかにも、ホリエモンに人生相談をすると、たった一行でバッサリとした返答が返ってくるだけだが、そもそも質問する人はホリエモンがそういう人だと理解したうえで質問しているので、その返答に満足する。十分、コンテンツとして成立する、というわけだ。

chatAIには人格はない。それゆえに、少なくとも現時点では一般論で返すしかないのだろう。

小説を書いていると、「キャラが動き出す」ときがある。物語の序盤だとなかなか起きないが、後半になってくると、キャラが自分の意思をもって動き始める。

それはどういう現象なのかというと、「このキャラならこうやって行動するだろう」というシミュレーションが正確に行えるようになる、ということだ。

漫画などで二次創作というジャンルがあるが、それはこれを応用している。市場に出回っている作品で、すでにキャラが固まっているものを流用し、新しい物語を作る。

「このキャラなら、こういう考え方をして、こういう行動をするだろう」というのが作者にわかっており、読者も理解しているので、成立するのだ。

もしchatAIに人格と、人生と、容姿が与えられたらどうなるだろう。たとえば、現実の人間をシミュレーションし、「その人物が答えそうな返答をする」ものになったら?

そうなると、もはや宗教的な領域で革命が起きるだろう。これまで、神と会話することはできなかったが、chatAIが搭載された神ならば、直接対話ができるようになるかもしれない。

最終的にはそういう方向性に進化しそうな気がする。コンテンツ産業に大きな影響を与えるのは間違いないだろう。

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