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ゴルフはいいぞ

数年前、ゴルフにハマっていた。

おおよそスポーツには一切縁がないといってもいい僕なので、ほとんど唯一ハマったスポーツといってもいい。ハマった、といってもそこまでのめりこみまくったというわけでもなかったが、月に1回弱、2か月に2、3回のペースでラウンドしていた。
 
昔から父に連れられて打ちっぱなしなどに練習に行っていたので、もともとある程度は打つことができた。しかし、実際にラウンドした経験はほとんどなかったので、自分の実力がどの程度なのかはわかっていなかった。

ある日、経理部の課長と話をしていたら、今の会社のゴルフ仲間は全員がしょぼいから、とりあえず気楽に来てみたら、と誘ってくれたので、それならば、と軽い気持ちで参加することにした。

父親からゴルフセットを一式譲ってもらい、ゴルフウェアとシューズを揃えて、5時過ぎの会社の駐車場に集合し、何台かの車に乗り合わせてゴルフ場に向かった。

ゴルフのスコアは100を切ると、「脱素人」だと言われる。経理部の課長を中心としたゴルフ仲間はほとんどが100を切れない連中で、ベテランの部長クラスの人たちだけがなんとか100を切る。そういう感じのレベルだった。

つまり、ほぼ全員しょぼい、というのは言葉通りだったので、初めてでも気楽にラウンドすることができた。僕が最初にラウンドした時は130ぐらいのスコアを叩いてしまったのだが、やっていくうちにスコアは良くなり、一番調子の良い時は103まで迫った。

だが、残念ながら最終的にも100を切ることはなく、僕は東京への転職が決まってしまい、会社のゴルフ仲間とはおさらばすることになった。
 
ゴルフは、田舎でやるならばかなりコスパが良い。僕は愛知県に住んでいたのだが、愛知や三重には平日のラウンドであれば5000円ちょっとで回ることができる。半日遊べて5000円ならば、相当にコスパが良い。
 
ゴルフの魅力は、いろんな楽しみ方があることだと思う。道具だって別に指定されていない。自分の好きなものを買って楽しめばいい。

一番ヘッドの大きなクラブのことをドライバーと言うが、ドライバーは飛距離が伸びる代わりに結構扱いが難しく、軌道が右と左に大きくそれていってしまうことがある。

ゴルフというのは指定されたコースの中を、球を打ちながらカップを目指して前進していくゲームなので、飛距離があるほどコントロールが要求される。飛ばしまくっても、軌道が逸れていたらすぐにOBしてしまう。

僕はなぜだか一般的に難しいとされている、ドライバーの次に大きな「スプーン」というクラブの扱いが得意だったので、ついにドライバーを封印してしまった。

極端な話、クラブ一本で全ホール回ってもルール違反ではないのだ(そういうゴルフ漫画もあった気がする)。自分が打ちやすいと思うクラブを使って、なるべく少ない打数でカップを目指す。とても自由だし、戦略の立て方も人それぞれで個性的であり、面白い。

いろんなスポーツをやる人いるけれど、なんか最終的にゴルフに行きつくような感じがする。プロ野球選手やサッカー選手でも、ゴルフはそういったスポーツの枠を超えてやる、と言う印象がある。

もちろん普通のサラリーマンや会社役員でもゴルフをやるし。アスリートでも、素人でも楽しめる懐の広さがある、というところだろうか。
 
実力が全然違う人同士でもそれなりに楽しめる、というのも大きい。上手い人は下手な人にアドバイスしながら、コミュニケーションをとることができる(うっとうしい場合もあるが、それはそれでご愛嬌)。
 
またゴルフやりたいなあ。気が合う人と一緒がいい、というのだけが絶対条件ではあるが……。

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