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「コツコツ型」は本当に効率がいいのか?

物事を成し遂げるとき、集中して一気呵成に仕上げる人と、コツコツ時間をかけて完成させる人がいる。これはどちらがいいということではなく、単純にタイプの違いだと思う。

自分はどちらかといえばコツコツ型だと認識している。たとえば、このように毎日noteを更新しているが、こういう文章を毎日書くことはあまり苦ではない。だいたいこれはひと記事あたり1500字前後で、あまり無理のない文字数だ、というのもある。

しかし、「コツコツ型」は裏を返すと、「無理をすることができないだけ」ともとれる。「集中して一気呵成に」ができないので、毎日ちょっとずつ進めるしかないのである。

また、日々のルーティンを重視するため、突発的な事態への対応も弱い。日々のルーティンができなくなってしまうような状況は迷惑だ、と思ってしまうのである。トラブルの多い仕事などをしていると、非常にストレスがたまる。

先日、プロボクサーの井上尚弥の試合を見た。テレビ番組で、試合前に合宿をやって、身体を仕上げている様子も見た。

もちろん、プロのアスリートなので、普段から常人とは比較にならないほどのトレーニングをこなしているはずだし、食事制限なども行っているだろう。しかし、試合に向けては、それに対応する体をつくるための専用の合宿を行うのか、と思った。

合宿の内容は、もちろん基礎トレーニングもあるのだが、対戦相手の対策に特化した特殊メニューも多く盛り込まれているようだった。考えてみれば当たり前のことではあるのだが。

コツコツ型を自認していても、ときどき「合宿」をする意味はあるのかな、と思う。つまり、そのことだけに集中する日があってもいい、と。受験勉強では、ときどき「合宿」という名の集中講義があったりしたが、やはり一定期間集中しきる、というのは効率がいいのだろう。

勉強のできない生徒を東大に合格させる漫画「ドラゴン桜」では、主人公らをまず最初に合宿で鍛え上げ、勉強の習慣をつけさせる、というところからスタートしていた。もちろん受験勉強は一夜では仕上がらないからこういう形になるとは思うのだが、まず合宿で集中させる、というプロセスが必要なのかもしれない。

一般的には「コツコツ型」のほうが成果が出やすい、と言われることが多いが、やはりそれなりに無駄があるのかもしれない。まず、やる気を出すのに時間がかかる。次に、情報を読みこむのに時間がかかる。仕事でも、月曜日が憂鬱な要因のひとつは、まず金曜日の仕事を思い出すところから入るからである。

平日であれば地続きなので、あまりそんなにたくさんものを忘れたりすることはないのだが。土日を挟むと、結構忘れてしまう。

小説を書いたりするとき、缶詰になって集中しきるほうが効率がいい、というのもある。これは前述のように、一定期間「そのことだけを考える」ほうが無駄がないのだろう。時間をかけすぎると、細部のことをどんどん忘れてしまうのである。

締め切りが近いと驚異的な集中力を発揮する、ということもある。まあ、どちらのモードも使い分ける、というのがいいのだろうが。

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