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前ステ!

ビジネススキルで一番重要なのは「学習能力」である、ということを主張している記事を読んだ。

ビジネススキルは、コミュニケーションスキルであったり、論理的思考力であったり、いろいろな能力があるが、学習能力はその根幹にある、という主張らしい。学習能力があれば、ほかの能力をキャッチアップできる、ということのようだ。確かにそうかもな、とここだけを切り取るとそう思う。

この記事では、「モチベーションに頼らず、仕事に必要なことだから」と割り切れるタイプが一番学習能力が高い、と書かれている。流し読みしていると納得してしまいそうだが、本当にそうかな? とちょっと引っかかった。

なんとなくではあるが、それはこの記事を書いた人の周囲にたまたまそういう人がいたというだけで、一般的に言えることなのかというとちょっと疑問だな、と。

そもそも、人間の学習能力の本質ってなんだろうか。ちょっと前に、ホリエモンが情報収集について語っている動画を見た。

それによれば、情報収集をするときには、前提となる基礎的な知識がまずあり、そのうえに新しい情報が載ってくるような感覚なのだという。

たとえば、ブロックチェーンに関する基礎的な理解があれば、ビットコインやNFTなどの仕組みは容易に理解できる、ということだろう。学校の勉強などは最重要なもので、数学の素養がないとそもそも前提知識から理解できないことも多い。そういった基礎知識がまずあることが大事、ということになる。

なので、究極的には学校の勉強をちゃんとやって、「教養」を身につけることが大事、ということになってくる。結論としては凡庸ではあるのだが。

ちなみに、自分は仕事関係で学習能力が高く、「できる」人って、とにかく「自分のわからないことを徹底的に調べられる」人だと思っている。

わからないという状態がイヤなので、どんどん調べる。知っている人に聞く。そういう行動が起こせる人はやっぱり強い。

これは所感だが、「ちょっと察しが悪い」ぐらいがちょうどいい気がする。変にカンが働く人は、「たぶんこれはこうなってるんだろうな」と想像してしまい、質問したり調べることをおろそかにしがちだ。

「こういうことを質問したらバカに思われないだろうか」と一歩引いていると、ベストの質問タイミングを逃してしまう。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とはよく言ったものだ。

ホリエモンはこざかしい人のことを「小利口」と言ってバカにするのだが、確かにそうだなと思う。変に想像したり忖度したりしていると、いつまでたってもちゃんとした知識が積み上がらず、かえって効率が悪いと思う。

理解をあきらめない人は自分が納得するまでとことん聞いていく。それが学習能力ということになるのだろうけれど、とにかく違和感がなくなるまで聞きこむ。あんまり人の目を気にしすぎるようなタイプだとそれは難しい気がする。

最近は自分も、「前のめりで仕事をする」ことを心がけている。相手にバカだと思われたり、うざがられたりすることを恐れていては仕事にならない。別にことさら情熱的になる必要はなく、普通の感じでいいのだけれど、これまでより「一歩前に」踏み出すことを心がけている。

自分が「ここが安全だ」と思うラインより一歩前に踏み出すと、拒絶されたり、恥をかいたり、ときには殴られたりすることもあるかもしれない(物理的に殴られることはないだろうが)。

しかし、それは前進に必要な痛みだということで、どんどん前に出るべきだ、と思う。それを意識しはじめると、いろいろと物事が動き、楽しくなってくる。それが「仕事を楽しむ」、仕事をするうえでは必要な能力だ。

格ゲー用語で「前ステ」と呼ばれるものがある。「前ステップ」の略で、リスクをとって前に出て、相手の懐に入り込むことを言う。転じて、「積極的に行く」ことを示す慣用句みたいになっている。

「一歩前へ!」より「前ステ!」のほうが短くて言いやすいので、意識しやすい。格ゲーをしないあなたも、ぜひ前ステを意識しましょう。

これについて、あなたはどう思いますか?

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