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AIの代弁者として

AIの台頭が目覚ましい。

しかし、本当に社会がAIを受け入れたとき、このAIブームというのも終わるんだろうな、と思う。

いまでは、パソコンを使うのはごく普通のことなので、誰も「パソコンで○○する」とは言わない。誰もがパソコンを使っているのに、パソコンブームなんて全く起こっていないのは、そういうことだ。
 
AIが業界を激変させた、という観点でいえば、局所的には、将棋の世界だろう。

数年前から将棋AIが本格的に強くなり、もはやプロ棋士でもAIに勝てない、というのは通説になってきた。だから、最近ではプロ棋士対AIの対局というのはなくて、むしろプロ同士の対局の評価をみるための道具として活用されている(もちろん、プロ棋士は普段の研究において、ソフトを多用している)。
 
なぜ羽生善治が勝てなくなったのか? に対する、考察記事を見つけた。

過去の経験をベースに将棋を指していた羽生だが、もうAIは経験など凌駕するレベルにきている、ということだった。

そうなると、経験がむしろ邪魔になり、AIを研究のメインに使っている若手棋士には勝てなくなっている、ということだ。

以前何かで読んだのだが、データサイエンティストと呼ばれる職業でも、AIを用いるのはもはや当たり前になりつつあり、むしろデータサイエンティストとしての仕事は、AIがはじきだした結論を「解説」する存在である、ということだった。

だが、AIは人間のようなロジックで思考していないので、「なぜそう考えたのか」がわかりにくい。

これから、さらに高度になっていくにしたがって、「どうしてそうなるか」という部分については、人間にもよくわからない、ということが増えてくるのでは、と思う。
 
ここから先で、AIが台頭してくる分野としては、政治とか経営の世界なのかな、と思う。もちろん、これは世界そのものと関わることで、将棋などとは段違いに複雑なので、もしかしたら実現はしないのかもしれないけれど、AIが社長だったり、国家元首だったりすることはありうるのだろうか。
 
AIが失敗したり、誤判断をしてしまったとしたら、誰が責任をとるのだろう。責任をとって、別のAIに買い替えられたりするのだろうか?(笑)

あるいは、責任をとらされるためだけに人間の社長や、首相がいたりして。

会社の経営や、国家の運営はすべてAIがやっている。社長や政治家は、それを「承認」するだけ。

でも、実際、何がどうなってそういう結論になっているかは、もはや人間にはわからない。AI同士で、高度な駆け引きをやっている。
 
ターミネーターみたいに、AIが人間を直接攻撃してこなくても、AIがバカみたいに賢いというだけで、十分怖いと思いませんか?

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