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プレゼンがうまい人は仕事ができるのか?

仕事の能力とプレゼン能力に関するnoteを読んだ。

プレゼン能力で仕事ができるかどうかを判断するのは乱暴だとしつつも、やっぱりパワポでプレゼンする能力が高い人間は仕事ができるのではないか、という内容である。興味深い内容だったので、少しこれについて考えてみたい。
 
実際のところ、プレゼンのうまい人は仕事ができるのだろうか? 

よく、漫画やドラマなどで、「エリートサラリーマン」みたいな人が、えらい人たちを相手にしてスライドの前でしゃべりながらプレゼンしている光景を見かけるが、あれは何をしてるんだろうな、と常々思っていた。

たとえば、コンサルの人が調査結果や戦略などを説明している場面のようにも思えるが、そうなのだろうか。何か決裁権のある人に、決定をしてもらうためにプレゼンをしている場面なのだろうか。
 
自分はわりと「口が上手い方」なので、プレゼンは得意なほうである。面接も、たぶんそれなりに得意だと思う。しかし、「口が上手い」というのは、いい評価とは限らない。それは多分に、「口だけのやつ」という意味も含んでいるからだ。


 
いいプレゼンによって、結果的にいい仕事がとれたことはある。また、いま勤めている会社は一般的には有名企業に属する会社なので、当然ながら面接でそれなりに良い評価を受けて入社したといえるかもしれない。

しかし、仕事を取ってきた場合でも、就職にしても、口が上手ければ上手いほど「期待値」も高くなるので、その高い期待値を満たせなければ、早晩、解約されてしまう。もっとも、就職については、そう簡単には首にはならないが、まあ期待外れだったよね、というそしりは免れないだろう。
 
ただ、プレゼンがうまい人というのは、仕事の処理能力が高いのは事実である。例えば、下記のような長所がある。

①話の要点が整理されている
②ストーリーが練られており、話がわかりやすい
③聞き手が気になるところをわかっており、それをカバーするように話してくれる
 
まあ、こんなところだろうか。これができる人は、確かに仕事でも成果が出やすいだろう。
 
しかし、「口が上手い」「弁が立つ」人はあまり信用できない、という人も結構多い。先述の通り、僕はわりと口が上手いほうだと思うが、それだけに、ただ単に口が上手い人のことを信用する気になれない。それは、単に「そういった能力スキルに長けている」というだけなので、無数にある人間の長所のほんの一部にすぎないからだ。

口下手でも、性格がねじ曲がっていても、「信頼できる人だ」と感じたらその人は信頼する。実際に、僕が最終的に信頼する人というのは、世間的に見てもちょっと変わっている人が多いように感じる。人当たりのいい人というのは、結局のところ、八方美人な人が多いのだ。


 
以前、エンジェル投資家か何かのインタビューを読んでいたときに面白いなと思ったのは、「投資するかどうか」は、最終的には「人」なのだという。

つまり、「こいつ、出資したら、逃げるんじゃないか」と思うような人には投資しない。「何がなんでもやり切るだろうな」と思う人に投資する、と言うのである。

「何がなんでもやり切る」というのは、当然ながら口が上手いだけでは証明できない。それを証明するだけの、確かな「実績」が必要になる。「サッカーで点をとるためには、足が速いことが重要だ」というようなもので、もちろん足が速いほうが有利ではあるものの、それだけでプロのサッカー選手として活躍できるわけではないのと同じだ。誰もが納得する「実績」なんて、そう簡単に作ることはできない。
 
とはいえ、プレゼン能力が高ければ、世間的には優秀だとみなされるし、得をすることは確かだろう。だからあるに越したことはない。しかし、それは多くの場合、「入り口のチケットが入手しやすくなる」にすぎない。

実際、そこから「仕事をして、成果を出して、信頼を得る」道のりの、ほんの最初の一歩なのである。

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