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ロイヤルティと仕事

コロナの影響もあって、しばらく社内が混乱していて、人数も減って結構ガタガタになっていたのだけれど、立て続けに新人を採用したことによって人数だけは元通りの体裁に近づいてきた。

新卒ではないが、もちろんみんなまだ新人なのですぐに仕事ができるというわけではない。しかし、とても優秀な人ばかりなので今後が楽しみだ。
 
新しく採用した人たちは、これまでうちの会社にいた人と何かが違う。能力だけを比較してみると、別にそこまでの差はないと思うのだが、一体何が……? ということで、違いについて少し考えていた。

仕事を頑張る人、と言うとどういうイメージがあるだろうか。遅くまで残業して、休日出勤もいとわず、無茶な出張スケジュールもこなす社員? 

最近は働き方改革が進んでいることもあって、このような働き方自体が難しくなっているし、こういう働き方をしたい、と思う人も減ってきたような気がする。

それに、僕の経験則では、労働時間がやたらと長い人ほどパフォーマンスが悪い。労働時間が突出して長いと、それだけでその人が非常に責任感を持って頑張ってると思われがちだが、よく精査してみるとそこまで残業する必要はなかったりする。

とはいえ、本当に緊急対応をしていることもあって、「仕事の頑張り」というのは外側からだけなかなかわからず、細かく把握する必要がある、とは思う。

しかし、「遅くまで頑張っている人がたくさん仕事をしている人」という認識は危険だ。キチンと定時で仕事をこなしている人の評価が不当に低くなってしまうからだ。
 
新しく入ってきた人たちは、どちらかというと非常に小さな組織で、成果を出すことを求められて頑張ってきた人たちだ。中にはフリーランスでやっていた人もいる。

小さな組織で働いていたからいいというわけではもちろんないが、仕事に対する「姿勢」が違うかな、と思った。大きなチームで仕事進めていくことも大切なことではあるのだが、仕事を「やり抜く」ということを覚えるためには、小さな組織で揉まれることが大事なのかな、と。
 
要するに、「遅くまで頑張ることが仕事ではない」ということがわかっている人たちなのだ。「遅くまで頑張る必要がないように、先手、先手を打ってスムーズにコトが進むためにマネジメントする」。これがわかっていて、実践できる人たちなのかな、というのが僕の評価だ。

これを一言で表現する事は無いものかと考えていたのだが、「ロイヤルティ」という言葉がふさわしい気がする。日本語にすると、「忠誠心」のような感じだろうか。
 
会社組織である以上、会社に対して忠誠を尽くして頑張ってくれる人がありがたいのはもちろんだ。しかし、僕は会社組織というのは単なる人々の集団であり、仕事を進めるための「器」でしかないと思っている。

結局のところ、そこに集まっている人たちが会社自身であり、仕事を進める目的で結集した集団、というのが僕の中の感覚としては結構ある。
 
僕が「ロイヤルティ」と表現したのは、会社に対しての「ロイヤルティ」ではなく、「自分の仕事に対して」の「ロイヤルティ」だ。プロ意識というか、自分が受け持ったことを最後までやり抜くと言う意識がある人を僕は「ロイヤルティ」がある人と表現したい。
 
自分の仕事がきちんとこなせるのであれば、定時で帰ってもいい。しかし、きっちりとやり抜く。これはもちろん当たり前のことなのだけれど、実践できる人は少ない。
 
会社にではなく、自分と、自分の仕事に忠を尽くす。そうありたいものです。自分がリスペクトし、親しくしている人も、こういう人たちが多いような気がします。

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