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カラスが好きです

最近、カラスが結構好きだ。カラスというのはもちろん、街中を飛んでいるあの黒い鳥のことだ。散歩中や通勤中など、外を歩いているときによく探してしまう。

それほどたくさんいるというわけではないのだが、数分も歩けば一羽は目にする。人を襲うようなこともなく、たいていはおとなしいカラスである。

よく、くちばしで地面を小突いて、何かを食べているらしいのだが、何を食べているのかな、と思う。畑だったらまだわかるが、森みたいなところだと葉っぱのある地面のあたりをつついているようだ。

つついていた場所まで歩いて行って、確認するのだが、わかりやすい食べ物は何もない。葉っぱの中にいる虫などを食べているのだろうか。あるいは実みたいなものを食べているのか。

僕が見ても全くわからないのだが、カラスは何かしていたわけなので、何かはあるのだろう。こんなにいろんなものがあるのに、何も見えてないどんくさいやつだ、とこちらのことをバカにしているかもしれない。

少し前に近所を歩いていたとき、衝撃的な光景を目にした。近所に工事現場的なところがあり、そこの地面の窪みに溜まっている泥水をすすっていたのだ。

確かにこのあたりに大きな川や池はないので、水は豊富にないかもしれない。しかし、それにしても泥水とは。人間であれば、きれいに見える川の水でさえ、煮沸しないとおなかを壊す。野生のカラスの生命力は、たとえ東京のカラスといえども(いや、だからこそ?)すごいものだと感嘆した。

カラスの生態についてネット検索してみると、愛好家がいるらしく、いろいろ情報が出てきた。基本的には雑食で、人の食べるようなものならなんでもいけるらしい。驚いたのは、ろうそくなんかも食べるようだ。

つまり、人間以上に雑食、ということらしい。なんとなく知ってはいたが、小さい体をしているくせに、とんでもない消化酵素をもっているようだ。

このように、カラスをよく見ているカラス好きではあるが、彼らが人間に害をなす存在であることはもちろん理解している。たとえばゴミ袋をあさられたりすると困るし、糞害などももちろんである。

なので当然のことだが、餌を与えたりはしない。遠くから見守り、応援しているのみである。

考えてみれば、うちでいま飼っている猫も、もともとは奥さんの職場の敷地内で生まれた野良猫なので、境遇からいくと実はあまりカラスと大差ない。猫ならペットとして適切で、カラスなら不適切、というのは単に人間のエゴということか。

ちなみに、ご存じの通りカラスは相当頭もいいので、実はペットに適している……のかもしれない。YouTubeでカラスをペットにしている動画を見たのだが、なかなかかわいい。


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