見出し画像

若者が投資をしてはいけない理由

「投資の神様」と言われている投資家のウォーレン・バフェット氏は、購入した日本株で、莫大な利益をあげているようだ。

2020年に、三菱商事や三井物産などの日本の大手商社株を大量に購入していることを明らかにして話題になっていたけれど、その後、コロナ禍を通じても順調に株価は伸び、いまでは莫大な利益になっている、ということだ。

その当時、「なぜこのタイミングで日本株?」と市場は疑問視していたのだけれど、「オマハの賢人」の異名をもつバフェットの判断は正しかった、ということになる。

以前、DMMの会長である亀山敬司会長が、「若者と投資」というテーマで語っていたインタビュー記事があった。いま検索してみたら、NewsPicksの有料記事になっていたのだが、当時は無料で読んだように思う。

記事を参照することができないので記憶頼りで話すのだが、「若者は株式投資などすべきではない」という内容のものだったと思う。理由は簡単で、「株式投資をするぐらいであれば、自分で働いて稼ぐほうが圧倒的に効率がいいから」だそうだ。

「投資というのは、もう自分で働くことのできなくなった人のやること」だそうである。確かに、これは投資というものの本質を突いた発言のようにも思える。

意外かもしれないが、ホリエモンこと堀江貴文氏も、YouTubeなどで似たようなことをよく言っている。若者が少額で投資をしても勝てる見込みは少なく、たいていは養分になるだけだ、と。

ホリエモンの持論としては、ある程度のお金があるのだとしたら、それを株式投資などに回すのではなく、「自分に投資するのがいい」ということだった。いわゆる世間一般でいうところの「自己投資」だけでなく、起業して、会社をつくる、というのが主旨である。

実際のところ、株式で大儲けしている人は、株式の売買によって利益を得た、というよりは、自分で創業した会社が上場し、その価値が何千倍にも跳ね上がった、というようなパターンが多い。GAFAの創業者はもちろん、日本の億万長者も、基本的にはそのパターンだろう。

なので、たとえばZOZOの前澤友作氏のように、持っている株式を売却してしまわない限りは、創業者自らが上場後も大量に株式を保有している。もとから自分が持っているものの価値が跳ね上がった、というだけなので、大金がそのまま転がり込んできた、というわけではない。なので、株式市場では億万長者だとしても、キャッシュで大金を持っている、というわけではないようだが。

亀山氏がインタビューの中で語っていたのは、「自分のタイミングで投資をするな」ということだった。つまり、たとえばいま手元に投資に回せるお金が100万円あったとしても、「いま」投資する先を探しているようではダメだ、と。

こちら側のタイミングで投資するタイミングを決めてはいけないのである。辛抱強く、最適な投資先が見つかるのを待って、ここだ、というときに大きく張る。それが投資というものなのだそうだ。

冒頭のウォーレンバフェット氏が投資利益で莫大な利益をあげている秘訣が、実はここにある。通称「オマハの賢人」は、経営するバークシャー・ハサウェイの共同経営者・チャーリー・マンガー氏によれば、「バフェットは一日のほとんどを読むことと考えることに費やし、電話はたまにする程度」ということらしい。

つまり、バフェット氏の投資というのは、めまぐるしく売買を繰り返すデイトレードとは対極であり、常に情報収集を行い、何年もかけて適切な投資先を探す、ということになる。

投資のプロはそう考えるわけだが、これはある意味ではなんにでも言えることだ。

たとえば僕はいま、持ち家を探したりしているわけだが、こちらのタイミングでいい家など見つかるわけがない。焦らない、というのがまず大事になるのだろう。いいものが見つかるまで、辛抱強く情報収集をやっていくつもりである。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。