見出し画像

すぐやれ!いますぐ!

ゲームデザイナーの桜井政博氏の「ゲーム作るには」の中の動画で、とてもシンプルなメッセージのものがある。

やるべきことがあるとき、やらなければならないことがあるとき……。どうしても手がつけられない。しかし、そんなとき、「やる気がないことを深く考えることに意味はない」と喝破。

とにかくやれ! いますぐ!

ということのようである。もはやゲーム制作とは関係がなく、この上なくシンプルなメッセージなのだけれど、これを意識し始めてから、かなり日常生活がいい感じに送れるようになった気がしている。

とにかく、やる気が出るのを待っていてはダメで、やる気なんかなくてもとにかくやってみる。気づいたら終わっている、ぐらいの勢いでちょうどいい。客観的に見積もっても、「やらなければならない……」と逡巡している時間を10とすると、実際にやっている時間は1ぐらいだろう。取り掛かるまでが長く、取り掛かってしまえばすぐに片付く。そういうのが多いように思う。

明日までにどうしても片付けなければならない仕事があるとき……。まずは平常業務を片付けてから取り掛かろう、と手をつけるのが定時をまわってから、だったりする。当然ながら、定時を過ぎているので疲労していてパワーも出ないし、実際に取り掛かっている時間も短かったりする。

もっと早い時間に、集中して片付けたほうがよかったのでは? という素朴な疑問が浮かぶのは毎度のことである。

「やる気スイッチ」という言葉がある。CMで発明された概念(?)のようだが、この概念のせいで損をしている人も多いのではないだろうか。

「いま、やる気がでないのは、やる気スイッチが押されていないからだ」という言い訳を与えてしまうというか。まあ、それでも一般語になっている時点ですごいとは思うのだが。

実際は、やる気スイッチなんてものが押されるのを待つぐらいなら、とにかくやりはじめたほうがいい。「やる気はあとからついてくる」というのは、脳科学的にも言われていることである。

筋トレでもなんでもいいのだが、一日に集中して取り組むのではなく、毎日、少しの時間でもいいから継続することが大事、というのはよく言われる。確かに、一気に集中するよりも毎日コツコツやったほうが成果が出る、ということもあるだろう。

しかし、ここに継続の罠がある。毎日少しずつやれればいいのだが、毎日「やる気」のスイッチを押し続けるのは大変なので、やがてやらなくなってしまうだろう。分散して継続するということは、それだけの回数、やる気を継続しなければならないということなわけで、意外と大変だったりする。

でも、いますぐやれ! ということを肝に命じていたら、問題なかったりして。


サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。